公共インフラ老朽化が問う「持続可能性」という言葉の意味

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管理人編集:国土交通省から転載のインフラ予測(国土交通白書)

先日関東地方を直撃した台風5号の影響で、千葉県を中心に停電や家屋倒壊など甚大な被害が生じました。

改めて被災された方々に心よりお見舞い申し上げますとともに、復旧作業や救援作業にご尽力なさった方々にもお礼申し上げたいと思います。

特に千葉県で起きた全県レベルの大停電は凄まじく、発生当初の最大停電戸数は63.7万戸にも達し、発生から三日後になっても39.2万戸が停電したままという惨状でした。

特に、連日気温が30度を超え熱帯夜が続く中で風呂もまともに入れず、食糧も水も電気も通信も尽きかけた住民のご心労たるやいかばかりかと、心中お察し申し上げます。

私も、昨年北海道へ出張中に胆振東部地震に直面し、不安かつ不便なひと時を経験しました。

たまたま札幌市内で宿が取れず、隣接する地域に宿泊したのですが、宿泊地域の停電は運よく15時間程度で通電し、食糧確保以外の心配をせずに済みましたが、厳しい猛暑と空腹の中で先の見えない停電生活を強いられるのは、本当に大変なことだと同情を禁じえません。

さて、こうした大きな自然災害に見舞われるたびに、社会活動や日常生活を支える公共インフラの果たす役割の重要性を再認識させられます。

緊縮バカの連中は、大停電に直面した地域住民の苦境を見ても、インフラの大切さなど歯牙にもかけず、「公共事業を減らせ~」、「コンクリートやハコモノは要らない!」と叫んでいます。

このように、公共インフラこそ社会のゆりかごであるという事実を認めようとしない不心得者は、もはや社会にとって害悪でしかありません。

「お前は、台風や水害、大停電に見舞われた被災者の方々が、いったい何処に避難しているか、解って言ってるのか?」と叱り飛ばしたい気分です。

国交省の資料によると、高度成長期以降に整備された道路橋、トンネル、河川、下水道、港湾等は、今後20年で建設後50年以上経過する割合が加速度的に高まり、2023年には、道路橋39%、トンネル27%、水門等42%、港湾岸壁32%、下水道管渠8%に達するそうです。

また、上水道も全国的に耐震化が遅れており、全国の水道の7割弱が震度6の地震に耐えられないと言われ、水道管破裂事故が毎年約1000件、陥没事故は毎年約5000件発生。全国の水道管約61万kmのうち、40年の法定耐用年数が過ぎたのが約3.8万kmと地球1周分に相当するそうです。

【参照先】

社会資本の老朽化の現状と将来 - インフラメンテナンス情報
日本の水道インフラは崩壊間近「耐用年数を超えた水道管を更新する金がない」 | 週刊女性PRIME [シュージョプライム] | YOUのココロ刺激する
ライフラインに大きな影響が出た熊本地震。復旧が進んではいるものの、阿蘇郡西原村、南阿蘇村などでは断水が長引いており、地震…
日本の水道インフラ:今後は「もたせる」「なくす」時代へ|JFS ジャパン・フォー・サステナビリティ
日本の土木インフラは成熟期をへて、今後は老朽化に向かいます。定期的な現状調査とメンテナンスを重ねつつ、さらには設備を残すのか・なくしていくのか、難しい判断を...

ですが、迫りくるインフラ崩壊の危機に対する国民の防災意識は、決して高くはありません。

多くの国民は、緊縮派が垂れ流す妄言に流され、“公共投資を増やすな、老朽化したインフラは放棄せよ”と真顔で叫ぶありさまです。

新聞の投書欄を見ても、「人口減少に合わせた公共投資の見直し(縮小)を」とか、「コンパクトシティや集住でインフラコストを削減すべし」、「持続可能なインフラ規模に向けた議論を」といった中学生みたいな投稿ばかりが並んでいます。

何十年も生きてきたいい大人が、自国の社会基盤の維持発展に不可欠な公共インフラを痛めつけても構わぬと放言するなんて、本当に情けないですよね…

『老朽インフラの危機、財政難はクールな「省インフラ」で突破せよ』(ニュースイッチ)

老朽インフラの危機、財政難はクールな「省インフラ」で突破せよ
「このままでは老朽化した社会資本が損壊し、市民の生命と財産を危険にさらす一方、再生するために莫大な予算が必要になる」―。東洋大学経済学部の根本祐二教授は2011年の著書『朽ちるインフラ・忍び寄るもうひと

上記記事でインタビューを受けた東洋大学経済学部教授の根本氏は、財政難下における公共投資は、クールな「省インフラ」で乗り切るべし、と主張しています。

かいつまんで言うと、

①すべてのインフラを「更新」「廃止」「長寿命化の推進」に仕分けし、公共建築物を主要施設へ集約せよ(ex.公民館を廃止して学校に集約)

②コンパクトシティや集住を進めインフラ更新コストを削減せよ(ex.集住しない人にディスインセンティブを課すことも厭わない)

③居住可能エリアを設定し、そのエリアのインフラだけを守り、それ以外は更新する必要なし。(ex.エリア外の道路の舗装を停止)

といった具合です。

一言でいうと、象牙の塔に籠った世間知らずが考えそうな空論ですね。

公共建築物の集約は、ちょっと考えただけでも、

・いまでさえ不足している防災・減災拠点の更なる不足

・土木建築技術の養成や向上の機会喪失と長期スパンでの人材やスキルの枯渇や途絶(建物は長寿命化できても、人材や技術承継の寿命は尽きてしまう)

・ブラック職場化している教育現場に掛かる負荷が増し、教職員の成り手不足が加速

といったデメリットやリスクばかりで、良いことなど一つもありません。

コンパクトシティや集住の強制に至っては、憲法第22条に定められた居住移転の自由を侵す大罪です。

日ごろ憲法違反に厳しいことを言いたがる左翼のバカ連中は、財政問題というケチな理由を盾にして、国民の基本的権利すら蔑ろにしようとする根本教授に、速攻で猛抗議すべきでしょう。

アイスランドとか、スイスみたいなこじんまりした国土ならまだしも、日本のように東西南北に大変長い国土軸を持つ国で一部地域に集住を進めるのは、非居住地域の荒廃を招き、防衛や防災の面から非常に危険です。

首都直下型地震や大型台風の首都直撃で、電気・水道・ガス・通信が途絶するような事態に陥った場合、集住したがゆえに被る被害範囲も拡大(=集住により被害や被災の的が拡大してしまう)し、本来なら死なずに済んだ人命を損なうリスクが飛躍的に高まります。

さらに、居住エリア外の舗装を剥いでしまえなんて暴論を放置していると、都市部の住民は満足に観光旅行にも行けませんし、ネットショッピングで注文した品物も、無舗装の林道を通って運ばれるうちに壊れてしまいますよ。

例えば、首都圏エリア以外の舗装を止めてしまえと言う暴論が罷り通るとしたら、首都圏を襲う大災害を起きた場合に、外部から救援に向かう人や物資の運搬の妨げになり、食糧も水もなく電気も通じない首都圏の住民は1週間と持たずに干上がるでしょう。

財政コストを心配するあまり、基本的な防衛・防災対策や国土の強靭化を蔑ろにして構わないのでしょうか?

根本氏のような単細胞には、「お金と国民の命のどちらが大事なのか、はっきり答えろ!」と言っておきたいですね。

緊縮バカに限って『持続可能性(サスティナビリティ)』という言葉を好んで使いたがりますが、彼らは言葉の真意を理解できていません。

根本氏の省インフラ構想に喝采を送るような愚か者たちは、持続可能性という言葉を使うにあたり、「有限の資源や人材を前提に、それを使い果たす期間をできるだけ長期化するにはどうすべきか」、つまり、資源や人材は増えぬから、それらが潰えるのをできるだけ先延ばししたい、という発想が根底にあります。

あたかも、救援のあてがまったくない航行不能の難破船内に閉じ込められた遭難者が、食糧庫に残った食べ物や水をいかに食い繋ぐかに腐心するようなものです。

これほど、消極的でふざけた話はありません。

アホな経済失政(緊縮&構造改悪&野放図な規制緩和)の所為で落ちぶれたとはいえ、我が国は世界第3位の経済規模と1億人超の人口、世界62位の国土面積、しかも、高度な技術と教育水準の高さに加えて、水資源や海洋資源の豊富さは群を抜き、対外純資産は340兆円超えで世界最大、国債利回りはマイナス圏内で、通貨価値は有事の円買いが頻発するほどの最高レベルというおまけ付きです。

これほど高度な文明と技術力を有する国家が、死にかけの年寄りじみたインフラ延命策を講じるなど笑止千万ですよね。

難民キャンプまがいの集住も、舗装を引き剥がすような野蛮な原始生活もまったく不要です。

国債や通貨の増発、聖域なきバラマキを即断・実行し、傷み切った公共インフラの再強化や強靭化に邁進することこそ、BIや社会保障費負担の軽減を通じた国民の消費力強化策と並んで、令和日本が取り組むべき最重要課題でしょう。

公共インフラを再強化することで社会生活の利便性や安全性が担保され、土木建築事業に従事する方々のスキルの維持向上にもつながります。

省インフラなんてクールどころか、衰弱死を運命づけられた哀れな日本人の葬儀のやり方を議論するだけの大バカ論です。

後ろ向きの撤退戦略から得られるものなどにもありません。

世界に関たる先進国に生きる者の自負として、常に発展や生活向上を目指す気概を持たねばなりません。

日本という国土のメンテを怠らず、公共インフラへの投資を大場派に増やし、将来世代へより安全で利便性の高い社会基盤を引き継ぐことこそ、最高にクールです!

国土や、そこに生活する国民一人一人が明日に希望を抱いて生活できる基盤を整えることが、永続的な時間軸を見据えたうえでの資源や人材、技術といった国富の無限の発展や拡大につながります。

それこそが、「持続可能性」という言葉の本当の意味だと思います。

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黄昏のタロ

お邪魔いたしますです。

>このように、公共インフラこそ社会のゆりかごであるという事実を認めようとしない不心得者は、もはや社会にとって害悪でしかありません。

 共感するです。
アルバイトで地下埋設の布線(?)で働かせてもらったりした事もあるです。光ケーブルの太い奴でした。今もそーゆー関係で収入を得ていたりします。働きながら「なぜ?」と向き合うと『社会のゆりかご』みたいな感覚が有ります。

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 千葉県の大規模停電。
東日本大震災の影響でコストカットて電柱が老朽化していたのも原因の1つだそうです。

 個人の敷地に立ってる電柱は、連絡を取ったり、作業スペースの確保や夜間に工事するとかかなりの手間が掛かるんです。隣地だったですけど畑を作業スペースにお貸ししたです。昼に鉄板を敷いて電気をあまり使わない夜間作業になったです。進まないのを責めてもいられないかなとも思うです。

 地下埋設は電柱に比べて10~20倍のコストがかかるそーです。補助金も必要になると思うです。無駄金だとか言う人が居ませんように。
 

当ブログは2019年5月に移転しました。旧進撃の庶民