ベーシックインカム批判に再度反論し、フィンランドの事例に学びたい

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大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2019年9月19日(令和元年9月19日)

本日は以前の記事:ベーシックインカム批判に回答。すぐに125兆円の直接給付は無理だ に寄せられたコメントに対して反論していき、さらにベーシックインカムについて論じていこうという記事になります。

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ベーシックインカム批判の論点整理

様々なコメントをお寄せいただき、この場を借りて御礼申し上げたいと思います。
本当にありがとうございました。(*‘ω‘ *)

その中でも、私が主張するベーシックインカムに関する批判の論点整理をします。
大きく分ければ、以下の3点に集約されるのではないかと考えました。

1、小さな政府志向もしくは行政の手抜きなのではないか
2、地域振興券の偽造・転売リスクが生じ、使用できるお店が限定される
3、ベーシックインカムによって賃金や給料が下がる

社会保障を一元化するわけではない

ベーシックインカムは、小さな政府志向なのではないか、行政の手抜きなのではないかという批判が寄せられました。

これに関しては明確に違うため、反論させていただきます。

この記事におけるベーシックインカムとは、社会保障などを一元化するものではなく、社会保障などとは別に基礎的な所得を日本国民に配る直接給付政策とします。

1、社会福祉(年金、雇用保険、健康保険etc)を一元化して、ベーシックインカムとして給付する議論(社会福祉の現金化と一元化タイプ)
2、負の所得税として、低所得層に現金を給付する議論(貧困層補助タイプ)
3、社会福祉とは別に、積極財政として給付する議論(積極財政タイプ)

参考記事:ベーシックインカム議論のポイント-通貨・技術・労働の意味

ヤン様(高橋様)のブログ記事から一部引用させていただきましたが、私の主張するベーシックインカムとは3の積極財政タイプと言えます。

したがって、地方自治体の行政機能を縮小するためのベーシックインカムというわけではございません。

また、直接給付政策のため、日本政府が日本国民の相対的貧困を解消するため、積極的に役割を果たすという意味から、少なくとも小さな政府志向の政策ではありません。

さらに言えば、ベーシックインカムを導入するのであれば、毎年日本国民の生存確認をする必要がございますので、地方自治体という地域社会のコミュニティが積極的に動く必要がございます。

むしろ地域共同体において、顔が見える行政というものが実現するのではないでしょうか。

既存の社会保障は縮小どころか、拡充すれば、地方自治体の役割と責任は増えるため、人員を増やすことにもなるでしょう。
私はそれに大賛成です。

ただ、ベーシックインカムが不要なほどの社会保障の充実ができるかと言うと懐疑的ですが。

イタリアの事例に学び、国民専用のデビットカードを導入!?

私が以前の記事で、民間銀行の口座に預金を振り込むという方法以外にも、地域振興券を配布するという方法もあると主張しました。

それに対して、地域振興券の偽造、転売リスクがあり、使用できるお店も限定されるという批判もございました。

偽造、転売リスクに関してはおっしゃる通りかと存じますが、そうなると貨幣を使用する場合も同じように偽造リスクはございますし、転売に関しても額面通りの金額で転売するというのは難しいのではないでしょうか。

使用できるお店も限定されるというのも、おっしゃる通りですが、だからこそ地方にお金が落ちますので、地方経済の活性化に寄与します。

また、パチンコ店などのギャンブル的なお店で使用できないという制限をつけなければ、日本国民の相対的貧困の解消及び消費の活性化にはなりません。

したがって、どのリスクを取り、どのリスクを許容するのかという政治的判断になるので、今後も議論が必要なのではないかと考えます。
ただ、この記事では第三の道をご紹介できればと思います。

イタリアの英語ニュースサイト「the local it」の中で興味深いニュースを見つけました。
以下において、一部引用させていただきます。

お金は、特別なデビットカードを使用してアクセスできる銀行口座に支払われます。
現時点では、特定の店で食料を購入するためにのみ使用できます。
将来、カードは衣服やその他の必需品の支払いに使用できると政府は述べた。
月末にカードに残ったお金は州に戻り、M5SのリーダーであるLuigi di Maioが経済を後押しするのに役立つと期待している全額を使うインセンティブになります。

引用元:270万人がイタリアのベーシックインカムスキームに申請

イタリアでは、ベーシックインカムに似た制度が導入されており、デビットカードを使用してアクセスできる銀行口座にお金が振り込まれます。

将来的には、生活必需品の支払いに使用でき、月末にカードに残ったお金は州政府に没収されるため、全額使用するインセンティブになります。

キャッシュレス決済を促進することができるため、この方法も有望でしょう。
地方の個人商店でも、クレジットカードや
デビットカード対応のレジを導入すれば対応できますし、レジ購入費用は日本政府が全額補助すれば問題解決です。

政府支出を増やし、デフレ脱却できれば賃金と給与は上がる

ベーシックインカム批判の中に、ベーシックインカムで給付される分だけ給料が下がるのではないかという批判がございました。

デフレ経済下であれば、そのようなご意見も一理あるのかもしれません。

私が主張しているベーシックインカムは、消費税廃止、政府支出増と同時に行うことを想定しています。

したがって、積極財政により、デフレ脱却すれば賃金は上がりますし、そこにベーシックインカムを導入すれば、消費が増えますからさらに賃金が上がる可能性がございます。

インフレ経済とは、供給よりも需要が大きい経済ですから、供給を強化する必要があります。
民間企業が生き残るためには設備投資をして、雇用を創出して、給料を上げつつ、既存人材の能力開発に最大限努力しなければなりません。

極端なことを言えば、人材育成に本腰を入れて、給料を上げなければ、民間企業としての経済活動ができないぐらいの需要を生み出すべきなのです。

したがって、ベーシックインカム単体ではなく、消費税廃止や公共投資などの政府支出を増やすべきであり、ベーシックインカムによる給与低下が心配なのであれば、賃上げ減税も実施すればよろしいのではないかと思います。

賃上げ等を行った企業に対して、給与等支給額の増加額の一部を法人税から税額控除します。
※給与等支給額が前年度より増加していることが前提となります。
平成30年4月1日~平成33年3月31日に開始される事業年度が対象
【通常の税額控除】
要件1:継続雇用者給与等支給額が前事業年度比で3%以上増加かつ
要件2:国内設備投資額が償却費総額の9割以上
➡給与総額の前事業年度からの増加額の15%を税額控除
※税額控除額は法人税額の20%が上限
【税額控除の上乗せ】
上乗せ要件:教育訓練費が過去2年平均比で20%以上増加
➡給与総額の前事業年度からの増加額の20%を税額控除
※税額控除額は法人税額の20%が上限

引用元:賃上げ・生産性向上のための税制ご利用ガイドブック

日本政府は税制を変更して、賃上げする企業に対する減税を積極的に行うべきです。
そのためにも法人税の税率引き上げが必要です。

法人税の税率引き上げは節税意欲の増進に役立ちますから、賃上げ減税の対象となるように努力する企業も増えるでしょう。

賃上げする企業には減税を、賃上げしない企業には増税をすることにより、賃上げする方がお得な状況を人工的に創ることで賃上げを実現できます。

フィンランドのベーシックインカムを分析してみた

本日の記事の最後になりますが、2年に渡ってフィンランド政府が実施したベーシックインカムの給付実験について紹介したいと思います。

失業手当受給者から学生などを除いた母集団(25歳以上58歳以下)から、ランダムに2000人を選び、月額560ユーロ(約7万円)を給付。
この額は税引き後の失業手当とほぼ同額である。

失業手当の場合は、職を探していることが条件であり、また収入がある場合にはその額に応じて減額されるが、実験対象者には2年の間、そのような条件や減額措置がないというのが主な違いである。
こうした条件や措置をなくすことによって、雇用や所得、健康や主観的な幸福度などにどのような変化が出るかを調べようとしたのである。母集団から給付対象者2000人を除いた約17万3000人が、比較対象となるコントロール・グループである。

引用元: フィンランド政府が2年間ベーシックインカム給付をして分かったこと

簡潔に事実関係を整理させていただきますと、フィンランドで社会実験が行われました。
限定的ですが、ベーシックインカムを導入したのです。

失業手当受給者に対して、ランダムに選んだ2000人に対して、月額7万円程度を給付し、その他の失業手当受給者と比べてどのような変化があったのか調査したようです。

調査結果を簡単にまとめると以下になります。

フィンランドのベーシックインカムは雇用に変化をもたらさなかった。
フィンランドのベーシックインカムは健康とストレス解消に効果あり。
フィンランドのベーシックインカムは他者への信頼、法制度への信頼、政治家への信頼を高める。

※参考記事:フィンランド政府が2年間ベーシックインカム給付をして分かったこと
上記の調査結果に関して留意しなければならないところがございます。

ただ今回の社会実験で雇用に有意な増減がみられなかったことは、実際にBIが導入されたときに雇用に増減がない証明とはならない。
なぜなら、実験の場合、給付期間に終わりがあることは被験者は知っており、そのような状況での意思決定と、制度としてBIが導入され長期にわたって給付を受けられる場合の意思決定は変わってくる可能性がある。
また、今回のような小規模な実験では、労働市場に影響は与えないが、社会のほぼ全員が給付をうけるようになれば、供給側の交渉力の増大やそれに伴う賃金の上昇や求人の減少なども起こりえる。

引用元: フィンランド政府が2年間ベーシックインカム給付をして分かったこと

給付期間を限定する場合と給付期間を限定しない場合の意思決定は違うというのはその通りですし、2000人という労働市場から見たら小規模の社会実験のため、労働市場全体に対する影響はほぼ無視できるレベルでした。

ただ、ベーシックインカムによる悪影響というのが無かっただけでも収穫でしたし、意味があったのではないかと思います。

上記記事においても言及されていましたが、働かなくても貰える所得が存在するということは劣悪な職場に対する抑止力として機能する可能性がございます。

ブラックな職場が存在していても、所得が無くなることが怖くて辞めたくても辞められないという方が多いと思いますが、ベーシックインカムがあれば辞める方も多いのではないでしょうか。

以上です。

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阿吽

>私が主張しているベーシックインカムは、消費税廃止、政府支出増と同時に行うことを想定しています。

BI導入の前提条件が、積極財政実現後を前提とされていますので、それならば、BI導入は成功するかとは思います。

ただし、積極財政政策実現後であれば、BI導入の意義は、現状よりかは薄れるかとは思います。

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,
上記の話しとはちょっと違いますが・・、BI導入を言われている方は、その根底に優しさがあるかとは思います。

ただ、優しいからこそ違うと思います。

目先のお金が物事を良き方向に導くとは、どうしても思えないのです。

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ただし、道理は反逆する武士さんの方にあります。

私が別の方と死刑議論をしたときや、原発議論をしたときと同じに感じるくらいには、道理は反逆する武士さんにあります。

間違っているのは私であり、正しいのは反逆する武士さんの方かもとも思いながら、それでも私は反論をしなければならないと思います。

しかして、もし、自分が絶対的に正しいと思いながら今回の反逆する武士さんの記事に反論をするのならば・・、その方は、間違っていると思います。

だって、困っている人にお金を配る・・、何か間違っていますか?

間違っていないけど、しかして一概に賛同もしづらいものがあるのです。

原発廃止議論の時や、死刑廃止議論の時のように・・。

お金を困っている人に渡すのは正しいのですが、やはりそれが、全国民一律給付となると、どうしてもそれが良いとは言い切れないのです。

そして、反逆する武士さんの考えるBIの導入が、積極財政の実現を前提とされているのならなおのこと、その前提でBIを導入する必然性を、見いだせないのです。

(せいぜい賛同できるとしても、BI導入は1年か2年ぐらいの短期の時限的な措置としてまでで、この制度を恒常的に導入するということならば、どうしても賛同がしづらいのです。)(短期でも本来としては導入しない方が良いのではないかとさえ思えてしまえますが・・)

,
しかして、BIの制度に反論する人は、自身の方が間違っている可能性もあるかもしれないと、そういった認識だけはしなければなりません。

なぜなら、困ってる人にお金をくばるのは、そこまで悪いことではないからです。

BIに反論することが絶対に正しいと、もし思っておられるようなかたがおられるなら、その人は、増上慢でしょう。

しかして、だからといって、BIに疑義を表明しなければならないのです。

それは、場合によっては私の方に理がないと思いながらもです。

これはだいぶんややこしいことを言っているのかもしれませんが、そんなふうにも思います。

思うのです。

BIの肝は、
①低所得に悩む国民の不安を払拭すること
②国民に、消費が社会基盤の維持に及ぼす意義と楽しさ、大切さを理解させること
③消費=需要の間断なき提供を通じて、国富たる供給力の維持向上を図ること
にあります。

よって、その実行は長期でなければなりません。

たろう

ベーシックインカムは小さな政府指向です。だから、私はベーシックインカムに賛成です。
現在の社会保障の仕組みが、でか過ぎるのを是正することになるからです。
生活保障行政の公平と迅速化も担保されます。

当ブログは2019年5月に移転しました。旧進撃の庶民