今年に入ってからMMTの話題が一部マスコミを賑わせたこともあり、緊縮財政主義や構造改革主義に対する疑問の声や異見が白日の下に晒されました。
緊縮財政主義や構造改革主義は、平成不況の襲来とともに経済政策の覇権を握り、強権を振るってきたわけですが、そんな“絶対王者”の揺るぎない地位にも、ようやく綻びが見え始めたようです。
しかし、少々亀裂が入ったとはいえ、緊縮主義の牙城はまだまだ強固で、私や進撃の庶民の皆さまが支持する積極財政金融主義の存在なんて、巨象を前にしたバッタみたいなものでしょう。
「日本の財政赤字は世界最悪。借金まみれの我が国は破綻寸前」
「財政再建こそ最優先事項。消費税率20%への引き上げ不可避」
「少子高齢化の流れは止められず、日本の衰退は不可避。若者は海外へ出でよ」
我が国ではこんなバカげた衰退宿命論が蔓延しているせいか、人々は経済復興や生活向上への興味や意志を失い、出てくるのは希望のない延命方法論ばかりですよね。
そして、そういった消極論を煽ってきたのが緊縮主義者の連中であり、彼らは、国民の意志が経済復興に向かうのをあの手この手で阻止してきました。
政官財報学とあらゆる業界に巣喰う緊縮主義者どもは、国債を国の借金と表現し、財政再建は不可避ゆえ増税やむなしという世論を創り上げ、それに異を唱える論者を数に任せて攻撃したり、議論の場から排除したりしてきたのです。
『山本太郎氏は「反緊縮」で政治の流れを変えるか~「魔法の杖」を求める財政バラマキの欲望』(池田信夫)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/56850
池田信夫氏は、緊縮カルト系の論者としてつとに有名ですが、上記コラムでは、反原発ゴロや慰安婦もどきのタカリ屋を舌鋒鋭く攻撃してきたいつもの切れが感じられません。
彼は、合理性や現実との整合性において到底勝ち目がないのを認めるのがよほど悔しいのか、積極財政策(MMT)に対して、「魔法の杖、バラマキ、フリーランチ、ネズミ講」といったレッテル貼りで口汚く攻撃しています。
ですが、この程度の罵詈雑言なら当方も聞き慣れており、何の痛痒も感じません。
むしろ、「また、いつものアレか… もっとエッジの利いた文句が言えないのかよ┐(´∀`)┌」と飽き飽きしますね。
池田氏は国債の発行・償還について、「いま国債を買うのは自由な資産選択だが、将来それを返済するときは、政府は増税しなければならないからだ」と述べており、“国債償還=増税”という根拠ゼロの大嘘をバラ撒いています。
ちなみに、今年度当初予算ベースでみた令和2年度の普通国債償還予定額は122兆円にもなり、政府が馬鹿正直に国債償還のたびに増税するとしたら、法人税や所得税、消費税の税率をいまの倍以上に上げなければなりません。
緊縮主義者揃いの政界や官界においても、さすがに、いますぐ税率を倍に上げようなんて議論はなされていませんよね?
国債償還のために大増税するなんてのは、頭の悪い緊縮主義者たちの妄想か大嘘です。
国債はそれを保有する機関や国民の財産ですから、そもそも減らす必要なんてありません。
償還期日が到来するたびに、粛々と借り換え(ロールオーバー)すればよいだけです。
臆病な緊縮バカの中には、国債累積が心配で夜も眠れないという神経症患者もいるでしょうから、政府が通貨発行権を発動し、国債と同額の貨幣を国債償還基金として別会計に積んでおけば安心ですね。
20年もの不況下で、サラリーマンの平均年収は1999年/461万円→2017年/432万円へ7%近くも減っています。
普通なら、18年もの間に年収が1.5~2倍に増えてもおかしくないのに、逆に減るなんて信じられません。もはや家計にはカネがないのです。
なのに、家計の苦境も顧みず、消費税率や社会保険料負担を引き上げ続ける緊縮主義者は、家計の財布を“叩けばいくらでもカネが湧き出てくる魔法の杖”と勘違いするフリーライダーであり、彼らは、家計にタカれば、いつでも“フリーランチ”というタダ飯にありつけると高を括っています。
池田氏は、「バラマキ」と揶揄すれば積極財政策を貶めることができると思い込んでいますが、“バラマキ=企業の付加価値向上+国民所得UPの広範かつ不偏なる拡大”ですから、これほど合理性に富み、即効性も高い政策はほかにありません。
国民共有の財産・資産である貨幣を「遍く・広く・厚く」バラ撒けば、特定の業界や業種だけに偏ることなく、誰もが公平に富を得る機会を得られます。
聖域なきバラマキこそ、最も合理的かつ効果的な政策であり、積極財政金融政策を訴える論者は、恥じることなく堂々とバラマキを訴えるべきです。
緊縮主義や構造改革主義に対して、“反緊縮”や“反グローバル化”をスローガンに掲げるのもよいのですが、「反〇〇」では、自らを事の初めから敗北確定のパルチザンや賊軍的立場に貶めてしまうリスクを伴います。
数は劣るといえども、せめて官軍たる気概を持ち、自分たち積極財政金融派を“国民生活向上主義者”と位置づけ、それに異を唱える緊縮主義者を“反国民主義者”と蔑む度胸も必要でしょう。
所得なきところに需要はなく、需要なき経済は国富たる供給力を劣化させ、国民生活を困窮に貶めます。
緊縮主義者のクズどもは、民の生活を破壊し、国の柱を腐らせようとする害虫であり、大義は我々の側にあります。
先の参院選の結果にしょげることなく、ますます力強く積極財政金融論を訴えていきたいものですね。