参院選は自民党の圧勝も、野党が僅かに押し返す-山本太郎議員落選

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 現在朝6時30分。参院選2019の選挙結果が報道されています。

 事前の世論調査は割と正確で、改憲勢力は3分の2届かず。野党の善戦と評して良い結果かと思いますが、自民党の勝利もまた確定されました。
 そして、山本太郎議員の落選。これもまた自身を比例3位にしていた時点で、ある程度は想定された結果です。

 参院選2019を振り返り、次回に向けて総括したいと思います。
 なお参院選-自民党と安倍政権はなぜ選挙に強いのか?野党はなぜ弱いのか – 進撃の庶民でも、総括を事前にしていますので、そちらもご参照ください。

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改憲勢力3分の2届かずだが、消費税増税確実な情勢に

 自民党はまずまず、といった議席のようです。
 改憲勢力は3分の2届かずは、事前におおよそ報道されていたとおり。

 だから「消費税増税確実な情勢に」とでも報道したら良かったのに、と申し上げてきました。

 見事に安倍自民党の「消費税から改憲に、争点すり替え」が功を奏した形になります。そして改憲は「重視する政策」の下位。わずか6%ほどが重視しているだけ、です。

 参院選2019の投票率は48.8%で、1995年以来の低水準だそうです。
 そりゃあそうでしょう。憲法改正なんていう「遠い話が争点」ならば、興味もなるなるというものです。

 この争点のすり替えに対して、多くのブロガーもまた「消費税増税かどうか? が焦点だ! 憲法改正なんか争点じゃない!」と書かなかったのではないでしょうか。
 ものの見事にやられた感が、満載です。

山本太郎議員落選。れいわ新選組2議席獲得

 困ったことに、山本太郎議員が落選しました。れいわ新選組は3議席届かず。

 私事ですが、私の両親は共産党を支持しています。事前に「比例も共産党に入れてほしいな」といわれていましたが、れいわ新選組の得票が怪しかったので、れいわ新選組に比例は入れました。
 山本太郎議員には、落選しないでほしかった。

 れいわ新選組は、いくつかの選挙戦略ミスを犯しています。山本太郎議員にしても、はじめての党首としての選挙だったので、致し方ない部分はあるでしょう。
 戦略ミスと思われる部分を、書いてみましょう。

  1. 山本太郎議員以外が、ほとんど選挙活動をしてなかった
  2. 既存の参院議員の現職、つまり玄人を候補に入れられなかった
  3. 自身を安全圏で、比例代表にしなかった

 れいわ新選組の選挙活動は、ほとんどが山本太郎議員1人が負担していたというのは事実です。知名度の点で、しょうがない部分もあったでしょう。
 資金制約もあったはずです。

 しかし……このミスは「最初の構想から、欠陥として存在した」と見てよいでしょう。集まった資金から候補者数を見ると、10人たてて3億円。
 妥当な金額であるものの、山本太郎議員の「選挙活動のキャパシティ」は計算されていなかったようです。

 結果論になりますが、5人程度をたてて戦うのが良かったのではないか? と悔やまれます。

 また、候補者それぞれが「選挙の素人」でした。1人でも参謀役の、選挙の玄人がいれば結果は違ったのではないか? と思えます。
 あまりに時間がなかったといえば、それまでですが。

 3.について、山本太郎議員は自身を比例3位にしていました。当落線上におくことで、より多くの得票を見込めると計算したのでしょう。
 しかし結果としては、落選となります。政治家は、落選したらただの人という言葉もあります。
 おそらく次は、山本太郎議員。衆院選で出馬するのでしょう。

 衆院選はおそらく、2020年の終わりから、2021年の中頃までにあるかと思います。

立憲民主党が躍進、ラディカルな改革政党vs反緊縮はどちらが勝利

 立憲民主党は改選前9議席から、17議席へと倍増。共産党は1議席減らすだけにとどまったようです。
 野党全体として見るなら、健闘したといって良いでしょう。

 一方で日本維新の会は、改選前7議席から10議席に増加したようです。

 ラディカルな改革政党vs反緊縮・消費税凍結という対立軸で見た場合、自民党から維新に「よりラディカルな支持」が流れる一方、ほんの僅かに反緊縮が全体としては押し返したというところでしょうか。

 反緊縮・消費税増税反対や凍結は、対立軸になり得ます。立憲民主党が躍進したのも、その証左でしょう。ぽっと出のれいわ新選組が、2議席を獲得できたのも大きいでしょう。

 しかし現実として、反緊縮勢力は「まだまだ弱い」のも事実です。
 それでも私としては、2017年の衆院選のように「共産党しか、入れるところがなかった」状況に比べれば、だいぶマシといわざるを得ません。

投票率は48.8%と、1995年以来の低水準に

 今回の参院選の投票率は、驚くほどに低かった。1995年以来の低水準だそうです。

 実はこれ、考えてみれば当たり前です。上述したように、憲法改正を重視する人は、6%しかいません。
 端的にいえば「国民の関心が薄いものを、安倍自民党は『意図的に』争点としてすり替えた」のです。

 投票率が低ければ、組織票のある自民党有利に働きます。
 逆にいえば、消費税増税かどうか? が争点だ! と強く打ち出せなかったので、自公が勝利したといえます。
 この点は、野党の反省材料でしょう。

 しかし、低投票率の原因は他にもあるのでは? と思えます。国民の政治に対する「諦観」です。
 なにせ、選挙終了後すぐに二階氏が「安倍総理の4選もありうる」などと述べるのです。

 裏を返せば「自民党に、ほかに総理になりうる人材がいない」と白状しているようなもの。小選挙区制によって、政治家が小粒化している証左です。
 国民が諦観を抱くのも、むべなるかな。

安倍総理の「幼稚な人柄」が国民を表す

 私はあまり、政治家の人格について言及する方ではありません。主張する政策や、肯定の意味で言及することはありますが……。
※例えば「山本太郎議員は熱い人だ」「枝野幸男代表の演説は、熱が入っていて素晴らしかった」等々。

 しかし安倍総理についてだけは、今回は言及します。
 私は安倍総理の人品骨柄について、否定的です。どうにも「幼稚」に見えるのです。ある種、ネトウヨ的な幼稚さが、安倍総理にはあります。

 「民主主義(政治)とは、国民を映す鏡」とはよくいったものです。この言葉は、サミュエル・スマイルズの自助論に出てくるようです。その一節を引用しましょう。

一国の政治というものは、国民を映し出す鏡にすぎません。政治が国民のレベルより進みすぎている場合には、必ずや国民のレベルまでひきずり下ろされます。反対に、政治のほうが国民より遅れているなら、政治のレベルは徐々に上がっていくでしょう。国がどんな法律や政治をもっているか、そこに国民の質が如実に反映されているさまは、見ていて面白いほどです。これは水が低きにつくような、ごく自然のなりゆきなのです。りっぱな国民にはりっぱな政治、無知で腐敗した国民には腐りはてた政治しかありえないのです。

 今の日本の政治が「立派」と胸を張っていえる人は、どれほどいるでしょう? 投票率が48.8%と低水準な時点で、政治に不信感ないし諦観を抱いている人たちが、大半である証左です。

失われた30年突入か?1997年と現在が近似している点

 投票率は1995年以来の低水準でした。さて、1995年の2年後になにが起こったか? 消費税増税とデフレ突入です。

 今回もおそらく、今年2019年10月に消費税増税が実行されるでしょう。
 1997年から我が国では、失われた20年といわれる大不況が始まりました。

 投票率の低迷、政治不信や諦観、そして消費税増税を控えている。かなり近似した状況でしょう。
 また社会党の凋落と、自民党一強になった経緯ともやや似ています。

 どうもこのまま消費税増税がされると、失われた30年が確実になると予感させます。19世紀の哲学者ヘーゲルは「我々が歴史から学ぶことは、人間は決して歴史から学ばないということだ」と喝破しました。

 この20年間、我々日本国民と政治は「経験にすら学ばなかった」のです。
 今回の選挙結果をどう総括し、どう次に活かすのか?

 野党にはぜひとも、しっかりと分析、評価をしてほしいものです。

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Muse
2 年 前

>私は安倍総理の人品骨柄について、否定的です。どうにも「幼稚」に見えるのです。ある種、ネトウヨ的な幼稚さが、安倍総理にはあります。

幼稚に”見える”というか、幼稚そのものです。適菜収さんが指摘している通り、まともな成人とは到底言い難い程の貧弱な日本語能力と基本的レベルの歴史知識の欠如に加え、基本的な食事のマナーのしつけすら受けずに育ってきた。さらに言えば、子供のころから平気で大嘘をつきながら、全く悪びれるところがなかった。要は、知的にも精神的にも人格的にも最低最悪の「幼児性」の塊のような人間、まさに”64歳児”なのです。

>一国の政治というものは、国民を映し出す鏡にすぎません。

まさしく、サミュエル・スマイルズの言葉通り。いやしくも民主主義体制の国において、上記のようなクズ人間を7年以上も最高権力者の座にのさばらせてきたのは、(維新も含む)政権与党の積極的支持者はもちろん、確固たる信念もなく消去法的に与党を支持する者や、完全に他人事モードで投票にも行かない連中であり、広く言えば日本の有権者全員です。この国の多くの愚民たちは、「世界中からもの笑いの種にされるような人物に何年も総理をやらせている自分たち国民自身も物笑いの種になっている」ことすら気づかないのです。

2 年 前

>現在朝18時30分

記事の初っ端から、何時やねーんっと^^

>既存の参院議員の現職、つまり玄人を候補に入れられなかった

かつての民主党代表選挙で、三橋貴明氏本人を含め、あそこのコメント欄で大半の人が鹿野道彦議員を推す中で、私は馬淵澄夫議員を推した経緯があるのですが、支持は今も変わっておらず、積極財政を掲げる新党への馬渕議員の合流を何よりも願っています。三橋氏がレクチャーを入れて最新の理論にバージョンアップさせ、山本太郎党首へと繋ぎ、元国交大臣という肩書きの副党首誕生ともなれば、れいわにも重厚さが増して胸熱な展開となるでしょう。

>おそらく次は、山本太郎議員。衆院選で出馬するのでしょう

はい。議員の身分がないと政治活動できない人とは違いますし、「当選すればラッキー」くらいの思いで、最初から衆議院議員狙いが本命だったように思います。

>日本維新の会は、改選前7議席から10議席に増加

大阪の観光客数や地価の上昇、万博の誘致成功なんかが全て日本維新の会の手柄として、一般の大阪府民に認知されていることが原因かもしれません。地下鉄民営化もこの先に控えている都構想のことも、いわゆる「竹中的」な政策が良いことだと喧伝され、大阪にとってよくない方向へ進んでいるような気がいたします。

当ブログは2019年5月に移転しました。旧進撃の庶民
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