普通の家計が”カネの使い道に困る”くらいの豊かな社会を目指そう

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原油やガスなどのエネルギー価格高騰、為替安やロシア問題による輸入物価高、食料品や日用品で相次ぐ値上げetc…、家計はますます火の車状態になる、と言いますか、もはや火の車を通り越して“業火の車”と言うべき惨状です。

税と社会保障費負担を足した国民負担率は、2002年/35.0%→2021年/48.0%へ1.37倍も重くなる一方で、国民の平均年収はいまだに430‐440万円でしかなく、25年も昔のピーク値(467万円)にすら届かず、四半世紀もの間低空飛行が続いています

また、新生銀行の調査によると、サラリーマンの平均小遣い額は2021年で38,710円(前年比▲1.2%)とここ10年はほぼ横ばい、ピーク(1991年)の77,725円と比べて半減しています。

日本人の所得や消費力が減り続けた結果、“モノやサービスを買う力”は衰え、コストプッシュ型インフレに対する耐性もすっかり脆弱化してしまいました。

昨今の円安や輸入物価高騰問題に絡めて、「工場や製造拠点の海外移転が進み、かつてのように輸出で稼ぐ時代は終わった」とか、「貿易黒字を出しにくい情勢下で、円安はもはや国益とは呼べない」などと、“日本の産業構造の変化”をしたり顔で話す識者や論者をよく見かけますが、前回の拙ブログで触れたとおり、製造拠点の海外移転は30年以上も昔の90年代から加速していた歴史がありますし、日本の貿易構造はすでに2011年以降、“輸入>輸出”の貿易赤字を度々記録しており、産業構造の変化とやらは、なにもつい最近起きたことではありません。

それこそ、2011-2012年の「悪夢の民主党政権」時代に▲3‐7兆円の貿易赤字を計上する中、1ドル=76-78円レベルの超円高が続き、「円高の所為で日本経済が壊滅する~」と手厳しい批判が浴びせられていましたよね?

こうした経緯があるにもかかわらず、多くの論者や識者たちは「円高=悪、円安=国益(輸出産業の利益)」という論調で経済を騙ってきたくせに、ここにきてコロッと手のひらを返し、円安悪玉論を布教しています。

こういういい加減な論者には、「お前らっ、円高がいいのか、円安がいいのか、はっきり言えよ!」と叱り飛ばしたいですね。

さて、為替の話は一旦置いておくとして、肝心なのは、“生活物資高騰への対策”をいかに迅速かつ的確に打てるか、という点でしょう。

まぁ、期待というか予想に違わず、我が国の政府や与党は、迅速でも的確でもない“愚策”を堂々と披露しようとしています。

『今年度からの住民税非課税世帯にも10万円給付へ…政府、緊急経済対策で』

Yahoo!ニュース
Yahoo!ニュースは、新聞・通信社が配信するニュースのほか、映像、雑誌や個人の書き手が執筆する記事など多種多様なニュースを掲載しています。

「政府は、今月中にまとめる緊急経済対策で、2022年度から新たに住民税が非課税となった世帯に現金10万円を支給する方針を固めた。コロナ禍の長期化や物価高騰で深刻な影響を受ける生活困窮者世帯の支援を強化する。自民、公明両党の協議を経て、来週にも決定する。(略) ロシアのウクライナ侵攻や円安などでガソリンなどの価格が上がっており、困窮者世帯への支援継続が必要と判断した。(略) 21年度補正予算や予備費で確保している1・5兆円を財源として充てる。(略)また、政府は、低所得の子育て世帯の支援を行う方針を固めた。住民税非課税世帯などが対象で、子ども1人あたり5万円を支給する方針だ。低所得の子育て世帯には、20、21年度にも給付金を支給した。22年度の予備費約2000億円を支出する方向だ。(略)」

“住民税非課税世帯限定”、“低所得の子育て世帯限定”、“予備費1.5兆円、予備費2000億円”…。

いやいやいや、発想のレベルが酷すぎて頭痛が止まりません。

予算総額のゼロが一つ、二つ足りませんよね?

対インド投資に5兆円(5年間)使うよと軽くリップサービスできる男が、なぜ国内投資になるとこんなにカネを出し渋るのでしょか?

対露制裁でいまだに日和見な態度で愚図るインドに5兆円出せるなら、低所得&高支出&高負担に苦しむ国民(=納税者)に100-200兆円くらい出せるはずですがね?

元々緊縮思考の強い岸田首相やそのお取り巻き連中には端から期待していませんが、与党、とりわけ自民党から数十兆円~百兆円レベルのまともな所得向上策が提言されないのが情けない限りです。

物価高騰対策として、自公両党から出てきたのは、上記記事中の「住民税非課税世帯の子育て世代向けの子供一人当たり5万円給付案」だそうですが、「えっ、たったこれだけ?」、「共産党の提案かと思ったよ」というのが正直な感想です。

彼らは国民の困窮ぶりを完全に舐め腐っています。

「低所得なのはお前らの努力不足のせいだ!」

「たかがインフレくらいで甘えるなよ!」

「減税とか給付金とか、いちいちうるせーんだよ!お前らは、クレクレ乞食かよ!」

「令和は自助の時代だろっ!何事も自己責任だよ、自己責任」

政府や与党の連中の発想の根底はこんなもんですよ。(立憲や維新、共産の連中も似たようなもんですが…)

“とにかく国民にタダでカネを渡したくない”

“国民がグズグズ文句を言っても、インフレの嵐が消え去るまで無視し続けていれば、そのうち忘れるはず”

というのが、彼らの基本方針なんです。

そうでなければ、これだけの需要不足型不況を前にして、たかが2000億円-1.5兆円程度のしみったれた予算額で逃げ切ろうなんてセコイ発想になるはずがありません。

いつも言っていることの繰り返しになりますが、「低所得&高負担のスタグフレーション型不況」に直面するいまこそ国内の需要力や消費力を爆発的に増やし、インフレ耐性を強靭化する必要があります。

あらゆる歳出項目を大幅に増額するのは当然として、政府→家計への直接的な所得供与策を大規模かつ長期的に実行して、民間経済下の消費力を加速的に増やす政策を打たねばなりません。

・消費税廃止

・社保料全額国庫負担化

・継続型BI 導入(月3‐4万円/人)

・公共料金の半額国庫負担化

・ガソリン税廃止

・大学までの教育費用の完全無料化

最低でもこれくらいの政策を打ち、普通の家計が“カネの使い道に困る”くらいの消費力を蓄えることができる経済環境を目指すべきです。

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