経済感度ゼロの自民党は、もうお終い

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『自民幹部が「10万円現金給付案」再び…背景には危機感か』

Yahoo!ニュース
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「自民党の下村博文政務調査会長は5日夜に出演したBSフジ「プライムニュース」で、新型コロナで経済格差が広がっていることから新たに「困窮世帯に1人10万円給付」を検討する考えを示した。

「住民非課税所帯、一人親家庭、非正規雇用、そういう方々でコロナによる格差で困っている方に対する追加(現金)給付」

下村氏はこのように述べ、具体的には経済困窮世帯を対象に「1人あたり10万円」給付を政府に提案する考えを明らかにし、低所得者に絞ったことについて下村氏は「昨年の10万円給付は7~8割の人が貯金に回している」と説明した。

そして「やるべきだという声は(党内に)かなりある」として実現に意欲を示した。(略)」

このニュースを目にした瞬間、「コロナ給付金のお代わり、キターッ‼」と小躍りした人も多かったでしょうね。

ですが、淡い期待はほんの1-2秒で落胆に変わってしまいました。

記事にあるとおり、下村氏が言ってるのは「住民非課税所帯、一人親家庭、非正規雇用などの経済困窮世帯に対する現金給付」であり、多くの国民が熱望する“全国民への一律給付”ではありません。

下村氏は政調会長の要職に就き、自民党内で重鎮の一人に数えられる人物ですから、彼の発言は党内全体の意思と理解して間違いないでしょう。

総務省は5月の家計調査について、1世帯当たりの消費支出は281,063円で前年比11.6%増と公表しましたが、コロナ禍の影響で支出が激減した昨年5月との比較で現況を判断するのは不適当です。

ちなみに一昨年5月(300,901円)と比べてみると▲6.6%の大幅なマイナスで、国民の懐事情は相変わらず厳冬期の只中にあることが判ります。

また、経団連が公表した大手企業の今夏のボーナス支給額は841,150円で前年比▲7.28%と激減しています。

夏のボーナスが減少するのは、2018年以降3年連続で、リーマン・ショック直後の2009年(前年比約19%減)以来の下げ幅とのこと。

また、中小企業でもボーナス支給の無い企業が2割を占めるなど、コロナ禍による業績悪化でボーナス減額に止まらず、支給自体を取りやめる企業も増加しています。

ボーナスを支給する事業所で働く労働者数も前年比▲1.9%の3,988万人と2年連続で低下し、1990年以降の最低水準を更新する見込みです。

平成・令和不況下の消費増税や社保料負担増にコロナ禍による失職や減収に見舞われ、多くの家計は減収に苦しめられ支出抑制に躍起になっています。

こうした実状を鑑みたうえで自民党が匂わせた対策とやらが、例の「経済困窮世帯のみを対象とする給付金の“検討”」ですから、まったくお話になりませんよね。

彼らの経済感度の鈍さ、情報収集・分析能力の無さ、政策立案能力の拙さを図らずも露呈した格好です。

冒頭のニュースに対するコメ欄にも、自民党に対する怨嗟の声が並んでいます。

「多くの企業が賞与見送りや減額で、国民は住宅ローン返済等で苦しんでいるのにもかかわらず、何故、困窮世帯(非課税世帯)という縛りにこだわるのか…」

「困窮世帯とか言ってるから進まないんだよ。一律にしないと不平不満が出るだろ!ひとり親? 非課税世帯? そんなの関係ないんだよ普通の家庭や、独身の正社員だろうが収入減ってて、苦しいのがわからんのか?」

「困窮世帯ではなく、もう一度、全国民に、一律支給してください。変な線引きをすると、手続きが煩雑になって、ただでさえ、コロナワクチンの業務で手一杯の自治体に、更に負担をかけるのですか?」

コメントの中には、「総選挙用の釣り餌か?」という批判も散見されますが、こんな小さくてショボいエサでは雑魚一匹釣れないでしょうね。

日本の相対的貧困率は2018年で15%程度と言われていますが、そういった所得層はそもそも政治経済に関心が薄く投票率も総じて低調であり、選挙向けのアピール材料としてはあまりにも貧弱です。

本気で総選挙を勝ちに行くつもりなら、全国民にコロナ給付金を倍にして支給し、消費税廃止や社保負担ゼロ、BI支給(既存の社保温存型)を謳って、野党やマスコミから「ムダ遣いは止めろ~」を悲鳴が上がるくらいのやる気を見せてもらいたいものです。

冒頭のニュースによると、“自民党内には、コロナ対策費として、これまで293兆円もの予算を用意したのに、それが国民にうまく伝わっていないのではないか?との危機感や不満が燻っている”とのことですが、国民サイドとしては、自分の懐に入ってこない見せかけの金額をいくらアピールされても何の意味もありません。

コロナ対策費293兆円と言っても、その多くが既存予算の付け替えや融資・出資事業による水増しに過ぎず、アベノマスクみたいな不用品の押し付けやパソナ・電通といった政商による中抜きの横行もあり、国民が対策費として実感できたのは10万円給付や、PCR検査やワクチン接種の無料実施くらいのものでしょう。

実際、300兆円もの予算を真水で使えるのなら、

・コロナ給付金のお代わり(大盛り)

・消費税廃止

・社保負担廃止

・BI導入

くらいなら余裕で賄えますし、もう少し予算を上乗せすれば、コロナ禍で減収に見舞われた企業に対する2‐3か月分の減収補償も可能です。

自民党の連中は、経済困窮世帯向け給付金に必要な2兆円でさえ、「財源をどう確保する?」とレベルの低い議論をしているそうですが、「お前らって、いったい何年間与党をやってきたの?」と呆れるよりほかありません。

いまや国民の8割近くが年収600万円に届いていないという惨状を勘案すれば、黙っていても「全国民≒経済困窮世帯」という認識が生まれるはずですが、自民党のバカどもは、そうした危機感を一mmも持ち合わせていないようです。

“平成・令和不況+消費増税+コロナ禍”という「不況の三連コンボ」を打破し、高度な経済成長を実現するためには、200‐400兆円近い対策予算を創り、即実行に移さねばならないのに、たった2兆円の財源云々で議論が膠着する当たり、自民党のダメさ加減というか無能ぶりというか、政権担当能力の無さが露呈していますね。

自民党の連中は、

・国民の不満や不安を直視せず

・自分たちの拙い政策を正当化し

・自党に対する国民の非難や無関心に無関心を装い続ける

という茹で蛙状態に陥っており、まさに旧民主党末期と同じ症状に見えます。

今秋実施が見込まれる衆議院選挙ですが、この体たらくでは大惨敗の憂き目に遭うのは必至でしょう。

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HG
3 years ago

本当にクソ自民が終わってくれればいいのだが・・・

雷蔵ファン
3 years ago

財政出動した2013年当時のアベノミクスだけは支持しますが、14年以降は全然駄目ですね。菅と麻生を選挙で落として、令和の高橋是清が財務大臣になれば世の中一変すると思ひますが、さう期待できる政治家が見当たりません。
しかし、米国の影響で、浜田宏一も竹中平蔵も伊藤元重も田原総一郎までも積極財政に転向しましたから、兎も角菅と自民党を潰して政治を混乱させれば何か起こるのではないかと期待してをります。諦めずに頑張りませう。

当ブログは2019年5月に移転しました。旧進撃の庶民
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