新型コロナウイルスを「正しく恐れる」素人と専門家の情報格差その1

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井上亮編 西村秀一著『新型コロナ「正しく怖れる」

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2021年6月3日(令和3年6月3日)

本日は新型コロナウイルスの基礎的な知識や感染症対策などについて、呼吸器系ウイルス感染症の専門家の著作、井上亮編 西村秀一著『新型コロナ「正しく怖れる」』の書評記事になります。

私個人はITエンジニアであり、学生時代は経済学部でしたので、感染症やウイルスなどに関して門外漢です。

したがって、まずは専門家の主張に耳を傾ける必要があり、進撃の庶民の読者の皆様と情報共有を図りたいと思います。

ご批判ご感想などはコメントをいただければと存じます。
※返信できない可能性もございますので、ご容赦いただければ幸いに存じます。

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西村秀一とは何者なのか。経歴をまとめてみた

まずは、簡単に西村秀一氏(以下敬称略)の経歴をご紹介したいと思います。

1955年山形県生まれ。
山形大学の医学部に入学。

C型インフルエンザの研究を行い、学位取得後、世界最大の感染症対策機関である「CDC(Centers for Disease Control and Prevention)に留学する。

その後、予防衛生研究所(現在の国立感染症研究所)で働くことになる。
その時に通勤時間がやたら長く、その時間がもったいないので、電車の中で『史上最悪のインフルエンザ』の翻訳作業に着手、出版。

1997年、香港でのH5亜型の鳥インフルエンザの住民への感染が見つかり、香港へ向かう。
香港での現地調査と、患者発生地図を作る。

香港から帰国後、H5亜型の鳥インフルエンザのワクチン作りの仕事に従事。
ワクチンが出来上がったころに国立仙台病院(現在の独立行政法人国立病院機構仙台医療センター)に移る話が持ち上がる。

2000年4月に国立仙台病院(現在の独立行政法人国立病院機構仙台医療センター)に異動して、ウイルスセンターを仕事場とする。

2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)が流行した際には、専門家として台湾へ向かう。
We are on the same boat」と発言して、日本の専門家が台湾に来たと報道される。

台湾の方が日本より格段に感染症対策という意味では進んでいると分析。
台湾の厚生大臣と面会し、台湾がSARSという未知の感染症にどう対処して、立ち直っていったかを現地で体感。

新型コロナウイルスの感染を受け、横浜に入港したクルーズ船に乗り込む。
※厚生労働省から国立病院機構に要請があったとのこと。

現在、独立行政法人国立病院機構仙台医療センターのウイルスセンター長。

西村秀一の経歴のご紹介は以上となります。

新型コロナウイルスに関する感染症対策や基本的な事項に関して教えを乞う相手としては適任だと判断します。

※異論は認めますが、ウイルスに関する専門的な知識を保有していて西村秀一よりも優れたウイルス専門家をご提示いただければ幸いに存じます。

PCR検査推進論への疑義

PCRとは、ポリメラーゼ・チェーン・リアクション(Polymerase Chain Reaction=ポリメラーゼ連鎖反応)の略なのだそうです。

DNA遺伝子を増幅させる技術で、検体中のウイルスの存在をウイルスの遺伝子を増幅させて調べる検査がPCR検査です。

PCR検査は、鼻やのど、痰あるいは唾液から検体を取り、ウイルスが存在するのかを判定します。
機材と反応キットによって反応時間は短いものから長いものまで最低検出限界も異なるとのこと。

様々な欠点が指摘されており、感染していないのに陽性という結果が出る「偽陽性」その逆の「偽陰性」もあり、偽陰性の確率は3割と言われております。

さらに、「陽性」だったとしても、感染に至らないほどの微量な新型コロナウイルスが検知されただけかもしれませんし、不活性ウイルス(死んでいるウイルス)が検出されただけかもしれません。

定量的な検査ができないタイプのPCR検査が存在しているため、その弊害もあるそうです。

※西村秀一は生きているウイルス、死んでいるウイルスという表現をされていますが、そもそもウイルスに生きているや死んでいるという概念があること自体、私は存じませんでした。

以上のことから、正確性に疑問符が付くPCR検査を妄信するのだけはちょっと理解ができません。

西村秀一はPCR検査の不正確性と実物的限界(医療キャパシティ)があるのだから、PCR検査推進論への疑義を呈しております。

体調が優れない場合や不安だからPCR検査をせよという声が出ておりますが、PCR検査という限られた資源を無作為に投下するのは、国家全体という観点からは戦略的とは言えません。

あえて付言するならば、PCR検査の不正確性を考えるならば、PCR検査を行い、陽性者を隔離しようとするのは、人権侵害に該当する可能性がございます。

移動の自由、居住の自由に対する侵害になる場合があるので、PCR検査の陽性者に対する隔離には反対します。

感染経路は空気なのではという予想

新型コロナウイルスの感染拡大で皆様もご記憶されていると思いますが、横浜のクルーズ船内での感染拡大が発生しました。

西村秀一はその横浜のクルーズ船に乗り込んだのですが、新型コロナウイルスの感染経路について強い憤りを感じたのだそうです。

証明されておらず、想像でしかないのに新型コロナウイルスの感染経路として「接触感染」だと断定していたからなのだそうです。

患者は船内の共用部分やドアノブなどに触って感染したと断定していて、それは違うと思っていたそうです。

私個人としても、それは違うのではないかと思ってしまいました。
患者は各個室に閉じ込められており、隔離されておりましたから、そういったことは考えにくでしょうし、仮に接触感染でも一部の感染で済んだはずです。

その当時としては、正体不明のウイルスですから、不衛生な状態の検疫官などが横浜のクルーズ船に突入するとは考えにくいでしょう。

また、船員やクルーズ船のスタッフも不衛生な状態で業務を行っていたとは考えにくいです。
感染症対策として、衛生的な状態で動くのは基本ですから。

西村秀一は「空気感染」だと考えたそうです。

西村秀一は横浜のクルーズ船に乗り込む前に、船の簡単な構造を書いた文書を入手していて、空調の仕組みを空調の専門家と一緒に見ていたそうです。

横浜のクルーズ船の空調は、各部屋の空気をまとめてもう1回各部屋や廊下に循環させるという構造で、外部からのフレッシュな空気が30%しか入ってこないとのこと。

感染していない人の部屋に感染した人の部屋の空気が流入するような構造なのだそうです。

素人的意見で申し訳ないのですが、あえて言わせて下さい。

それ換気になってへんやん。

だからクルーズ船内部で感染者が拡大してしまったということのようです。

今後、空調構造がしっかりしており、外部からのフレッシュな空気が供給され、他の部屋の空気が流入しないクルーズ船以外には乗船しない方が良さそうですね。

超絶怖いです。

また、井上亮編 西村秀一著『新型コロナ「正しく怖れる」』を読んで、西村秀一と私(ウイルスに関しては素人)の間に情報格差があって、わかりにくい、理解できないところもございました。

次回の記事では空気感染などの詳細な説明をしつつ、さらに新型コロナウイルスの実像や新型コロナウイルスの感染症対策についても触れたいと思います。

※内容が変更になる可能性はございますが、素人なんでその点はご容赦を。

【追記】

様々ご指摘いただきまして、勉強不足を痛感しました。

井上亮編 西村秀一著『新型コロナ「正しく怖れる」』について、追加で内容を紹介できればと存じますが、時間的な猶予をいただければと存じます。

以上です。

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thek
3 years ago

お疲れ様です。
新型コロナについては、僕は井上正康名誉教授の説が最も妥当ではないかと思います。

以前はコロナは肺炎だと思われていましたが、最新の研究によると、実際は腸で感染するそうですので、例えば飛沫や空気感染はメインの感染ルートでは無さそうです。
腸の血管壁の内側にACE2受容体は最も多くあり、そこで主に感染増殖するようです。その際に血管壁を多少破壊し、血小板がそれを治そうとします。その時血栓が発生し、血流に乗って運ばれていきます。
多くの血栓は肝臓で濾過され、その際に肝臓に微小なダメージが入ります。
取りこぼした血栓は肺に到達し、肺の血管を塞ぎます。
この際にCTで肺を調べると、「まるでインフルエンザの肺炎のように」すりガラス状のモヤが写るわけです。

と言う風に、肺で感染し呼吸・飛沫で感染拡大するのではなく、腸で感染する血栓症であり、大便から最も多くウイルスは検出されるようです。
実際、唾液でPCR陽性になる2週間前に大便で陽性になり、唾液で陰性になってから2週間の間は大便だと陽性が続くそうです。最も早くに陽性になり、最も長く陽性が続くわけですな。

これが重症者になってくると全身に回るため、唾液などにも多く含まれるようになるので、重症者はマスクをした方が良いでしょうが、無症状ならまずマスクは不要です。

thek
Reply to  反逆する武士
3 years ago

井上教授のコロナ関係の書籍はAmazonで検索すると出てきますので、そちらをご参照ください。
後は動画ですね。
ゴー宣道場の98回に90分ほどのレクチャーがあります。アレが分かりやすかったです。
後はコロナ論3に対談が載ってますね。

ちなみに、腸で感染するのは胃袋経由ではなく、喉の細かい傷から血管に入り、そこから血流に乗って腸までたどり着くようです。
入り口は喉で出口はお尻、そこから大便、水洗トイレで流すときのエアロゾル、トイレのドアノブ、そして手から口へ、これがコロナのメイン感染ルートのようです。
それを裏付けるのが、大便が唾液より前後2週間ずつ長く陽性反応を示すという事実ですね。下水を調べると2週間分早く上流のクラスタが見つかると言われています。

thek
Reply to  反逆する武士
3 years ago

いや、コロナで需要なのは、感染初期に大便にウイルスが含まれることそのものではなく、その間唾液で陰性となる期間がある、ということです。
これは肺感染だとしたら有り得ない現象です。

肺で感染したらまず呼気に含まれるようになるので、当然唾液のPCRも速やかに陽性になり、大便は早くても唾液と同時期に陽性となるはずです。
ところが実際には大便が2週間早く陽性になるわけです。
これは感染源が腸であれば説明がつきます。
感染初期のウイルスが少ない状態では、免疫に押さえ込まれてしまって、感染源から離れた所に全滅せずたどり着くほどのウイルス量に達していないと言うことです。
だから腸で作られる大便には含まれるが、喉や肺、飛沫にはふくまれない、と言う状態が生まれるわけですな。

また、この腸で感染すると言うのは十分説得力がある説だと思いますよ。
コロナがACE2受容体にて感染する、というのは既に判明している事実で、そのACE2受容体が何処に多くあるのかも分かっています。
密度にして腸は肺の10〜20倍、総量にして確か数百倍もの数だったと記憶しております。
ならば腸でまず吸着されて、そこで感染・増殖する、というのが自然な理屈でしょう。

最後に、専門家であるかどうかで信憑性を測るのはやめた方がいいです。
医学会の専門家はあまりに専門が分化され過ぎていて、むしろ専門が足を引っ張りかねないという状態にあるようです。
専門に特化し過ぎていて、むしろ考え方や発想が偏ってしまうわけですな。専門からちょっと離れただけで全く分からない、なんて事も珍しくないとか。
このコロナにしても、ウイルス学に免疫学に感染症学に循環器に呼吸器に消化器に、関連する分野は多岐に渡ります。だから専門家がこのコロナの実態を捕捉しきれないのです。
そしてだからこそ、井上氏は専門を持たないのです。
医学は総合知であると言う、彼なりの信念から。
そう言った各分野の知識を貪欲に貪って、俯瞰で物を見る姿勢でなくてはコロナの実態は見えてきませんよ。

ま、専門家と言うだけで信頼することの危険性はここの人々が一番よくわかってると思いますよ。
主流派経済学者も専門家なんですからね。
彼らを専門家だからと言う理由で信頼しますか?

僕はこのコロナ禍は、非常にデフレ問題に近い問題だと考えています。専門家が根底のところから間違えて、その間違った土台の上で間違った対策を行う。
結果の検証もしないから反省もなく、間違った対策を繰り返す。
中には「専門家故の」利権に塗れた者が大きな声を張り上げて、正しさを蔑ろにした対策もどきを推進する。
どれもデフレ問題で起こったことがコロナ禍でも起こっています。

thek
Reply to  反逆する武士
3 years ago

あ、ちなみに基本的に井上教授ご自身はコロナを専門に研究してるわけではなく、ネイチャーなどの論文を読み漁った結果としての知見を総括的に取りまとめたものが前述の書籍であり動画です。
元論文については書籍の巻末の参考文献にズラっと羅列されてますので、一次資料に当たりたい場合はそこを参考にされると良いでしょう。
僕は動画を見て、実際に起こっていることとその説明が矛盾なく繋がると納得したんですが、
そもそもその情報が正しいのか?まで遡って確認したい場合などは、元論文を検証すれば良いかと思います。

当ブログは2019年5月に移転しました。旧進撃の庶民
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