我が国のエンタメ界、とりわけ音楽業界は2000年代からの大低迷期をなかなか抜け出せませんが、昨今では、鬼滅の刃関連でLiSAの「紅蓮華」が大ヒットを飛ばしたり、Official髭男dismがヒット曲を連発したり、一部で昭和・平成期のJ-POPが人気になったり、レコード盤マニアが増殖したりと、新たな胎動を感じます。
今年の話題曲と言えば、(自称)女子高生シンガーAdoの「うっせぇわ」がネットを中心に沸騰しているようですね。
『「『うっせぇわ』は子どもに歌わせない」という親たちに伝えたいこと』(島沢優子/フリーライター)
「うっせ~、うっせ~、うっせ~わ♪
つい口ずさんでしまう、中毒性のあるメロディーライン。そして、痛快な歌詞は、社会をこうぶった切る。
クソだりぃな
酒が空いたグラスあれば 直ぐに注ぎなさい
皆がつまみ易いように 串外しなさい
年齢や役職が下の者は、上の者にかしずき従え。そういわんばかりな謎の常識を、「くせぇ口塞げや 限界です」と糾弾する。
18歳の女性シンガー「Ado」が歌う、この『うっせぇわ』。
昨秋に配信リリースされると、YouTubeのミュージックビデオが公開1週間で再生回数100万回を記録。ビルボードジャパンのダウンロードソング1位にも3週連続で輝いた。Adoの圧倒的な歌唱力が支持される一方で、作詞作曲を手掛けた「syudou」(噂だと20代で社会人経験もある男性だとか)が綴った歌詞が一部でバッシングされている。
子育て中のママは「教育によろしくない」と眉をひそめ、大人たちは「調子に乗るな」と否定的。皆さん結構イライラしているようなのだ。
ええ~、なんで? なんで? すごくいい歌詞じゃんと、当方、不思議でたまらない。だってこれ、私のような50代中年だって心に沁みる。(略)」
島沢氏大絶賛の「うっせぇわ」を私もYouTubeで聴いてみましたが、かなり速いテンポのリズムにもかかわらず歌詞がはっきり聴き取れるよう丁寧に歌っているのには好感が持てます。
ですが、話題の歌詞があまりにも抽象的なため、錆びついた大人社会を批判する彼女の舌鋒の鋭さがスポイルされてます。
それに、ぶった切る相手があまりにステレオタイプというか、二世代前の古めかしさというか、イマドキこんな昭和臭いおやじなんているの? そんな亡霊よりも、もっと他に闘う相手がいるんじゃないの? と首を傾げざるを得ません。
だいたい、“女子高生シンガー”が売りなのに、会社の飲み会のくそオヤジの所作を叩き切るなんてどう考えてもピントがずれてますよね?
それなら「品川キラキラ女子」か「丸の内OL」にキャラ設定しないと…。(;^_^A
ただただ攻撃相手の設定が時代遅れじゃないの?という感想です。
この程度の歌を話題性たっぷりにゴリ押ししてくるあたり、いかにも電通案件らしいというか、社会一般とのベクトルがズレまくっていますね。
【参照先】
まぁ、歌詞を書いたのはsyudouなる男性だそうですから、Adoさんに文句を言うのは的外れですが、この厨ニ臭すぎる歌詞を「大人社会への強烈なカウンターパンチ」とか「男社会への反抗ソング」と持ち上げる青臭い連中にこそ吐き気を催すほどの嫌悪感を覚えます。
コラムを書いた島沢氏は、「大学卒業後はちょっとだけ企業で働いて、そのあとは毎日倒れるまでバイトして2年間海外に留学。帰国後に就職してすぐの新人歓迎会で楽しく飲んでたら「酒も注げないのか。気が利かねえ女だな」と上司に叱られた。それまでウロウロしていた欧州じゃ、老いも若きも自分で勝手に飲む。酒を注ぐとか、焼き鳥の串を外すのが「女性社員の仕事」なんて思いもよらなかった。」と綴り、自分はヨーロッパに留学経験のある意識高い系女子だったというマウントネタをコッソリ入れ込みつつ、当時の昭和オヤジの勘違いぶりを批判しています。
うっとり顔で“ヨーロッパでは~”と語る島沢氏ですが、古臭い慣習が大好きなヨーロッパ人がノーマナーのはずがありません。
「ドイツでは一緒に飲んでいる相手の目を見ながらお酒を飲むのが一般的」
「フランスでは、どんなに大人数がいたとしても「一人一人」と視線を合わせて乾杯する」
「フランスでは他の乾杯をしている人たちと手がクロスしないよう乾杯せねばならない」
「フランスではワインを注ぐのは男性の仕事」
「イギリスでは大人数で飲む場合、一人が全員分の飲みもをを注文し、飲み終わると別の一人がまた全員分の飲み物を注文しに行く」
なんて結構面倒なマナーやしきたりがあります。
おそらく島沢氏は、ヨーロッパの上っ面だけ舐めて自分に都合の良い空気だけを持ち帰っただけなんでしょうが、“バブル女の海外留学”というブランドを酔っ払い上司に足蹴にされた恨みを30年近くも滾らせ、それを「うっせぇわ」を擁護することで晴らそうとしているにすぎません。
要は、「うっせぇわ」を昭和オヤジとの代理戦争に駆り出しているだけのことです。
平成・令和と時を経るにつれ、パワハラやセクハラ、アルハラが強く戒められ、オヤジ世代の意識も年月を経るごとに変化してますから、バブル期の中年オヤジ世代と令和不況真っただ中のオヤジ世代の意識を同一視する方がどうかしていますよ。
いい加減に情報をアップデートしないと・・・。
島沢氏は大学4年生になる自慢の御子息に「うっせぇわ」の感想を尋ねたところ、「めちゃくちゃ共感できる」と言われてそうで、息子さんのご意見を次のとおり紹介しています。
息子曰く、
「大人に対するレジスタンスだよね。大人が思っているよりも、子どもとか若者はストレスを抱えてるんだよね。俺も含めてね。日本はさ、上下関係の文化が根強いじゃん。それをいいことに、子どもをリスペクトしないよね。人生経験は大事だと思うよ。でも、すべて大人が正しいとは限らないよね。特に今これだけ価値観とか変わってるのに、自分たちの経験則を押し付けようとするよね。だからこれ聴くと、過去のことを思い出すんだよ」
「日本の社会って人間の同質化を目指してるよね。例えば、みんながこれをできないとダメ。できない人、苦手な人は他のことができればいいよ、とはならない。大人が子どもに同質化を求めるから、友達同士もそうなって自分と違うやつを許容できない。それでいじめが起きるよね」
だそうです。
いやぁ~、学生が感じる上下関係って、ほとんどが「対大人」じゃなくて「対先輩、対上級生」なんじゃないですかね?
そうすると、“レジスタンス”する相手って、大人じゃなくて、先輩や上級生という同じ子供なんじゃないの?
「大人に対するレジスタンス」とか、お前は尾崎豊か?とツッコミどころ満載です。
まぁ、息子さんのコメントという建前になってますが、実際は元バブル女だった島沢氏の心の声を代読したものなんでしょうね。
50歳にもなって、いまだに大人へのレジスタンスを続ける情熱には呆れますが、フェミさんや左巻きの連中の精神年齢は常に「15の夜」で停止したままです。
彼女の息子さんは、「日本の社会って人間の同質化を目指してるよね。(略)大人が子どもに同質化を求めるから、友達同士もそうなって自分と違うやつを許容できない」とコメントした(ということにしておきましょう…)ようですが、いまの日本社会で最も同質化圧力を感じるのは、ほとんどがレフト方向からの圧力ばかりですよ。
ミスコンを開くと「ルッキズムが~」と圧力が掛かる。
レースクイーンを掴まえては「性的搾取が~」と圧力が掛かる。
黒人を描くと「人種差別が~」と圧力が掛かる。
女性管理職のなり手がいないと嘆くと「性差別が~」と圧力が掛かる。
お母さん食堂に対して「ジェンダーフリーが~」と圧力を掛ける。
不良外国人を批判すると「レイシストが~」と圧力が掛かる。
同性婚に眉を顰めると「LGBT差別が~」と圧力が掛かる。
原発擁護発言をすると「放射能が~」と圧力が掛かる。
差別利権を漁るフェミどもや日本人へのレイシズムを滾らす輩が勝手に決めた
「社会じゃ当然のルール」
「不文律最低限のマナー」
とやらが大手を振って歩く世の中になり、メディアを味方につけ絶大な権力と大きすぎる声量を利用して他者を恫喝し、苦痛を与える左翼社会特有の「マウント体質」が拡がっています。
「うっせぇわ」と毒を吐き、「現代の代弁者は私やろがい」と未来を生きる権利を宣言すべき相手は、絶滅危惧種の昭和オヤジではなく、現代社会の権力者であり、日本人に対するレイシスト、差別利権を喰らい、若者を始めあらゆる日本人に自分の理想社会への同質化を強要するフェミババァとその支援者であるべきです。
[…] 「うっせぇわ」に代理戦争させる勘違いフェミニストどもうっせぇわ/syudou(selfcover) – YouTubeより我が国のエンタメ界、とりわけ音楽業界は2000年代からの大低迷期をなかなか抜け出せませ […]
ここ20年余りの音楽業界は、あまりにも思考や発想が独りよがりですね。
自分たちが楽しむためだけの音楽なんてカネになりません。
路上で一人で唄ってろよ、と冷めた眼で見ています。