大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2021年2月25日(令和3年2月25日)
日経平均株価が3万円を超えた
15日の東京株式市場で日経平均株価が一時、3万円の大台を回復した。
引用元:日経平均が一時3万円回復 90年8月以来、経済回復期待
3万円台を付けるのは1990年8月以来、30年6カ月ぶり。
日経平均株価が3万円を超えたとの一報がございまして、私は特に嬉しい気持ちにはなりませんでした。
日本株においては「日経平均株価」が株価としてニュースになることが多く、アメリカの場合は「S&P500」「NYダウ」がニュースとして取り上げられることが多いことはご存知かと思います。
一般人が浮かれて、株価に関心が寄せられるときほどバブルでございますので、私のような個人投資家は警戒感を持って市場動向を見守るべきです。
本日は日経平均株価が3万円を超えた件について、経世済民という観点から分析した結果をご報告できればと存じます。
あえて初めに申し上げますが、投資は自己責任でお願い致します。
※私は責任を負いかねますので、何卒宜しくお願い致します。
そもそも日経平均株価とは何かと言われて、答えられる方はさほど多くはありません。
「日経平均株価」とは、日本経済新聞社が東証1部に上場する企業の中から業種等のバランスを考慮して選んだ、日本を代表する225社の平均株価のことです。
※参考記事:「日経平均」ってなんですか?
要するに、東京証券取引所で取引できる株式の平均値というわけではなく、225銘柄という限られた銘柄の株式指数のことなのです。
したがって、日経平均株価が3万円を超えたということで、上場している企業の株式がすべて高値になっているわけではないのです。
一部の銘柄だけが爆上げしているだけであり、日経平均株価に選定されている銘柄でも、思ったほど株価上昇していない銘柄も多いのです。
日銀が最後の買い手
日銀は上場投資信託(ETF)の買い入れ方針について、景気の急速な悪化などで市場心理が冷え込み、市場が急変動した際には買い入れを積極化することを明確化する方向で調整に入った。
引用元:日銀、市場急変時のETF積極買い入れを明確化へ=関係筋
上記の件について説明したいと思います。
まず、日本銀行は上場投資信託の買い入れを行っております。
上場投資信託とは、株式のように流動的に取引ができる投資信託であり、流動的に取引ができる複数の株式のパッケージ商品であるとご理解ください。
日本銀行はその上場投資信託(ETF)を購入することで、コロナ・ショック(2020年第一四半期に発生した株価暴落)の際に、株価を暴落を食い止めるために上場投資信託を購入しておりました。
今後、日本銀行は景気の急激な悪化で株価が暴落してしまった場合に、買い入れを積極的に行うことで、株価の底上げを行うという方針になるようです。
日本銀行はどのような上場投資信託を購入していたかご存知ですか。
そもそも、日本銀行はTOPIXという株式指数に連動する上場投資信託(ETF)を大量に購入しておりました。
※参考記事:日本銀行 ETF の買入れの運営について
東証株価指数(TOPIX)とは、東京証券取引所第一部上場全銘柄を対象として、算出・公表している株価指数のことです。
日経平均株価と並ぶ、日本の代表的な株価指標です。
東証1部上場の全銘柄(2020年1月21日現在、2,159社)を対象として、各銘柄の浮動株数に基づく時価総額を合計して計算しており、包括的に銘柄が組み入れられております。
※参考記事:SMBC日興証券 TOPIX/東証株価指数 (トピックス/とうしょうかぶかしすう)
TOPIXに連動している上場投資信託(ETF)以外にも、不動産投資法人投資口(J-REIT)や「設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETF」も購入しております。
※参考:指数連動型上場投資信託受益権(ETF)および不動産投資法人投資口(J-REIT)の買入結果ならびにETFの貸付結果
日銀の上場投資信託購入は中国系ファンドの企業買収への防波堤になる
日本の上場企業の中には、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済停止によって、業績が芳しくない企業も多く、日本銀行は東証1部に上場している企業に分散投資しており、日経平均株価は爆上げしております。
私は日経平均株価の爆上げは日銀のおかげだと思っています。
株価が暴落した場合は、積極的に上場投資信託を購入することで株価を底上げしてくれるならば、長期的に株価低迷するリスクが小さくなるからです。
要するに、日本株を購入しやすい環境を整えてくれたということです。
もちろん、日銀だけでなく、長期保有を目指す投資家や海外のファンドが購入したから日経平均株価が爆上げしたという側面もあります。
今回の件で、日銀の上場投資信託(ETF)購入は経世済民につながらないとお考えで憤りをお持ちの方もいらっしゃると思います。
それはその通りなのですが、日銀の上場投資信託購入が無かったら、株価は低迷して、中国系ファンドによって上場企業が買収されてしまい、日本企業が奪われる可能性が高まっていたでしょう。
必ずしも悪いことではないと言わざるを得ないです。
日銀のETF購入は株式市場への政府介入に等しい
そもそも日銀の上場投資信託(ETF)購入とは、政府による株式市場への介入であり、需要と供給のバランスや市場原理という観点からは望ましくありません。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う株価暴落という緊急事態にだけ正当化されることであり、平時においてETF購入するのは望ましくないです。
日銀が資産を購入するのであれば、緊急事態以外において、今後は不動産投資法人投資口(J-REIT)や「設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETF」に限定して、できるだけ少額購入するべきです。
できるだけ市場を歪ませるようなことは慎んでいただければと思います。
もちろん、日銀は上場投資信託を売却すべきと主張したいわけではありません。
長期的な保有を前提とした上で、暴落局面だけで買い増すだけでよろしいでしょう。
以上です。