聞くところによれば、高橋氏が入れば、カネを渋るということが緩和されるのではないかという期待があるらしいが、可能性はそんなに高くはないだろう。もしそれがなされたとしても、別のところで帳尻を合わせよとするだろう。例えば、国有資産を外資にうっぱらうとか。まったくそんなことをする必要もないが、そのあたりの理解は基本は通貨発行を入れているかどうか不明なバランスシート思考の主流化経済の亜流なのであろう。
ついに高橋洋一を内閣参与にいれるということになった。リフレ派というよりは、政権にまとわりついてビジネスをするというお人なので、国家戦略特区などの融通をするなどで自らが会長を務める政策工房に利益を誘導していくことが基本的な仕事なのであろう。菅などは竹中の弟子みたいなものであるから、兄弟弟子のようなものでありかつ、ネオリベ的な話は全く躊躇なく聞くということをアトキンソン氏のアドバイスをマルママコピーしたようなことを言ったことからわかろうものだ。高橋氏の弾丸トークに対して反対するどころか、見事に丸め込まれて無修正のまま実施しようとするのではないだろうか。
その中で、コロナ対策としての給付をやるのかどうか、あるいは、その給付を曲解して平均7万給付の社会保障の削減策に向けた政策にする、要するに給付する代わりに、他の社会保障支出を削るとか、あるいは、あとで取り返すために消費税を上げることにするとか、高橋洋一氏のいうことは、おそらく状況に応じてころころと返るはずである。目的が消費税減税でも何でもないからである。要は、リフレ派お得意のデフレは「貨幣現象」ということなので、金融系の政策は提言する可能性はある。ただ、財政出動に関しては、メインの政策ではないと思っているはずなので、ポーズとしてのそれを進めることはあっても、本格的な予算化は進めないだろう。竹中氏の意向を考えるとそこまで踏み込む理由もない。いずれにしても、規制緩和だったり、外資の誘致は、政商としての国家戦略特区やIRの誘致などが上手くいけば、国益になろうがなかろうが彼にとってはどうでもいいのである。そういう目的が怪しい人間であること言うことを認識しておくことが大事だろう。
経済力は、国威内でいろいろなものを創造できる能力の集合体である。それを棄損する形で活動するのであれば、いくら金をばらまいたところで大して意味はないのである。日本経済の復活は、二重も三重も足かせがあるため、目の前のまやかし程度ではどうしようもないところに追い込まれているのである。スガ政権の選択する政策の幅ではうまくいくことはほとんどないのである。