体を張ったギャグは本当かと思ってしまうかもしれないが、ギャグはギャグである。しかし事実に対して何の関連もないギャグは面白くもないしギャグにはならない。そこには真実につながる糸はある。しかし、額面通りに受けて一喜一憂するものではないことは確かなのだ。(波よ聞いてくれ)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020073000966&g=eco18年秋に景気後退入り 回復71カ月、戦後最長ならず―内閣府認定:時事ドットコム内閣府は30日、2012年12月から始まった景気の拡大局面が18年10月をピークに終了し、後退に転じたと認定した。景気の拡大期間は71カ月にとどまり、戦後最長だった「いざなみ景気」(02年2月~08年2月)の73カ月に届かなかった。企業部門は好調だったが賃金は伸び悩み、家計にとって実感の乏しい好景気だった。www.jiji.com
もはや、言ったことを実際にやるまでは全く信用が置けないことに対して、ついにゲロしたという報道があった。GPIFの活動などで株価を吊り上げることによって、日本経済の実体経済とは不釣り合いの株価が維持され、まるで景気がいいかのような判断を繰り返していた、政府の助言団体が18年の秋にさかのぼって、そこから景気が後退しているということを、コロナの混乱に乗じて訂正するという技を使ってきた。
状況的にはこの景気判断は、消費税増税を実施することに対する大いなる言い訳として利用されてきたところがある。5%から8%に増税されてからは、明らかに景気の後退が進んでいたというのに、それを認めず、昨年19年10月の消費税10%への増税が予定通りに勧められたことは記憶に新しい。その前提が崩れたことによって、消費税増税の大義名分はなくなったはずであるが、その場で8%の検討するわけではなく、選挙に絡めて、8%に時限的に戻すとかそういう形で、政局の道具として使おうというのがおそらく現在の自民党の中枢の狙いであろう。
そもそも、消費税が必要な税で、税制の中心的な役割を果たすという考え方がおかしいのである。国債発行を必要に応じて行い、経済規模を拡大していくことが通常の国家経営にもかかわらず、税金が収入だと勘違いして国家経営をしようとしているところが全くおかしなところである。やらなければならない仕事は、カネを国債で調達しながら、仕事を発注していくことが政府の仕事である。それが失注してしまう状況であれば、それをこなすことできるような研究や技術開発にも投資していくというだけのことである。仕事して、あるいは、仕事があるから効率的に仕事をできるような技術の向上を促して、経済の成長を遂げ、国民が需要の拡大に対して適正な賃金を得て、その大きくなった消費を通じて経済を回していくということである。
このとき、税は儲けすぎたところから、そのもうけによって不当に収奪されたところへの分配機能であって、それが収入の上限と考えることは実にナンセンスなことなのである。
上記の景気判断の捏造は、こういう税制の意義の捏造を覆い隠す役割も果たし、日本経済のあるいは、日本の国力の衰退も覆い隠すという二重にも三重にも罪深い行為だったのである。
コロナの対応でもわかるように、政権は日本経済の本質的な問題を直視せず、それゆえに、解決をまともにしようとは考えていない。如何に目くらましで、目の前の問題だけをほいほい解決あるいは解決しようとする素振りだけをアピールし、その結果は、まったくといっていいほど実際の問題解決につながっていないどころか、無用な混乱だけを生み出す結果になっていることが多いのである。それも、別に今年に始まった話でなく、冒頭の記事のような政権運営の日常として行われてきたことは、改めて知らなければならない。逆に言えば、すべての政策について、どのような裏があるのかを、希望的観測に基づく思い込みを解除してつぶさに見ていく必要がある。そして、しっかり批判することである。