国内総生産が激減して戻らない可能性も。コロナショック後GDP解説

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大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2020年8月21日(令和2年8月21日)

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GDPが年率換算実質で27.8%減少

内閣府が17日発表した2020年4~6月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で1~3月期から7.8%、年率換算で27.8%減った。新型コロナウイルスの感染拡大で、リーマン・ショック後の09年1~3月期の年率17.8%減を超える戦後最大の落ち込みとなった。

引用元:GDP実質27.8%減、4~6月年率 戦後最大の下げ

内閣府が発表した国内総生産は2020年4-6月期において、物価変動を除いた実質で、対前期比マイナス7.8%となりました。

年率換算実質で27.8%減少したとのことです。
さすがに年率換算実質で25%以上も減少するとは驚きました。

まずは冷静に結果を受け止めていただきたいと思います。
経済統計について詳しくない方の中には、GDPの約4分の1が消し飛んだと勘違いしていらっしゃる方がいらっしゃいます。

年率換算とは、もし2020年4月-6月期のGDPの水準が年間を通じて継続してしまったらという仮定での算出でございますから、現時点でGDPの約4分の1が消し飛んだという理解は誤りです。

現状、我が国日本において消滅したGDPは実質7.8%と認識するのが正しいと言えます。

さらに、今回のGDPの発表に関しては第一次速報値でございますから、第二次速報値でさらに下方修正される可能性がございます。

場合によっては、年率換算実質で30%以上のGDPのマイナス成長があり得ます。

内需大崩壊・・・特に個人消費が減少

民間最終消費支出は、実質▲8.2%(1~3月期は▲0.8%)、名目▲8.4%(1~3月期は▲0.8%)となった。

引用元:内閣府 2020年4~6月期四半期別GDP速報 (1次速報値)

国内総生産の内訳を分析し、どの分野がどれほど落ち込んでいるのか理解しましょう。
上記の内閣府の国民経済計算の結果概要から、速報値を見てみましょう。

まず驚きなのは、民間最終消費支出(個人消費)が実質8.2%も減少していたことです。
こんな下落幅は見たことがありません。

緊急事態宣言と外出自粛で、一気に財布の紐をきつく締めあげてしまったようです。

民間住宅は、実質▲0.2%(1~3月期は▲4.2%)、名目▲1.4%(1~3月期は▲4.3%)となった。
民間企業設備は、実質▲1.5%(1~3月期は1.7%)、名目▲3.0%(1~3月期は1.3%)となった。

引用元:内閣府 2020年4~6月期四半期別GDP速報 (1次速報値)

民間住宅(民間住宅投資)は、実質0.2%の減少となり、民間企業設備(設備投資)は実質1.5%の減少となりました。

海外企業からの部品供給が滞ってしまったのに、民間住宅は持ちこたえたようです。

むしろ設備投資が減少しており、緊急事態宣言や外出自粛の影響で消費が低迷することを見越した動きかと存じます。

政府最終消費支出は、実質▲0.3%(1~3月期は0.0%)、名目▲1.2%(1~3月期は0.8%)となった。
公的固定資本形成は、実質1.2%(1~3月期は▲0.5%)、名目0.5%(1~3月期は▲0.4%)となった。

引用元:内閣府 2020年4~6月期四半期別GDP速報 (1次速報値)

政府最終消費支出が実質0.3%減少したのは理解できません。
公的固定資本形成(公共投資)が実質1.2%増加したのは、景気の下支えをするために必要なことでした。

正直に申し上げれば、公共投資の増加があまりにも少ないと言わざるを得ません。

他の項目があまりにも減少しているのですから、政府や地方自治体の采配によって増加できる項目は増やさないとGDPが大崩壊する可能性がございます。

内需だけでなく外需も大崩壊

財貨・サービスの輸出は、実質▲18.5%(1~3月期は▲5.4%)、名目▲21.4%(1~3月期は▲5.5%)となった。
財貨・サービスの輸入は、実質▲0.5%(1~3月期は▲4.2%)、名目▲10.3%(1~3月期は▲4.3%)となった。

引用元:内閣府 2020年4~6月期四半期別GDP速報 (1次速報値)

輸出が実質18.5%減少し、輸入が実質0.5%減少しました。
輸出という名の外需も大崩壊しているようです。

我が国日本の以上に、アメリカと中国という大国が内需大崩壊しているわけですから、その煽りを受けるのは当然と言えます。

輸入は0.5%減と小幅な落ち込みにとどまった。
中国からの輸入が再開したのに加え、マスクやテレワーク用のパソコンなど「コロナ需要」が出た。

引用元:GDP実質27.8%減、4~6月年率 戦後最大の下げ

マスクやパソコンの輸入が増えたため、輸入の減少幅は少なかったということのようです。

激減した国内総生産が戻らないかも

ここから、私なりに今回の国内総生産が激減したことに関して、思うことなどを大雑把に記述させていただきます。

新型コロナウイルスの感染拡大によって緊急事態宣言が発令された頃の話なのですが、Twitter界隈で、経済政策の論争において「緊急事態宣言による外出自粛が明ければ経済は元に戻る」ということを口走る人間がおりました。

あまりにも経済について理解が浅いと言わざるを得ません。
緊急事態宣言に伴う外出自粛により、消費が低迷します。

消費が低迷することによって、民間企業の売り上げが減少します。
民間企業は自社の生き残りのために、従業員を解雇もしくは休業させて、費用を最小化しようとします。

その結果、雇用と所得が減少してしまい、それがさらに消費を減少させてしまい、あたかも新型コロナウイルスによるデフレ・スパイラルが発生してしまうのです。

デフレスパイラル

結局、どうにかして需要を一気に増大させないと、デフレ・スパイラルは止まりませんし、インフレ・スパイラルにすることは難しいと言えます。

雇用や所得が減少している家計に消費や住宅投資を増やしてもらうのは事実上難しいですし、売り上げが減少している民間企業に雇用や設備投資を増やしてもらうのは難しいですし、海外は日本より地獄絵図と化しています。

したがって、日本政府が消費税を廃止して、粗利補償または休業補償を行いつつ、家計へ直接お金を給付する財政出動を行うしか方法がございません。

第三次補正予算が待ったなしという状況であり、瀕死の重傷を負っているのが日本経済なのです。

”本記事は8月18日に反逆する武士にて投稿した記事の転載です。”

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