あとがき(原作担当 遠藤万次郎)
最終回まであと8話くらいというこのタイミングで、首相補佐官(内閣総理大臣補佐官)の新キャラが今回登場しました。実際は他にまだ4人ほど首相補佐官がいますし、秘書官もいつもの2人以外に、秘書軍団と呼んでいいくらいの規模で、総理大臣の周りは常にチームプレーで動いています。キャラ数を搾ったままの方が、制作側としてはやりやすかったりするわけですが、いつまでも秘書2人で回すのもどうかと思い、少しボリュームを持たせてみました。
100%自分の頭の中だけで発想した、完全オリジナルな政策や戦略などあり得ない中で、今回の竹島返還の訴訟戦略や核保有税の提言、さらに、少し前のエピソードで描かれた、EUとの挟撃等々による千島全島返還などは、新規性や独創性の純度が高い部類に入っているのではないかと思います。そうした考えが実際にあるものとして検索をかけても、一般常識的な情報は何も得られず、知識の習得に繋がらない可能性があることにご注意ください。
【租税の役割】
①安定財源性(ただし財政自主権を持つ中央政府には不要)
②所得再分配(残余を罰する所得税の累進課税が代表格)
③景気安定化(ビルト・イン・スタビライザー効果)
④政策的誘導(望ましくない需要の抑制=酒税やタバコ税)
⑤租税貨幣論(MMTの考え「税が貨幣を駆動する」を参照)
上記は『アイドル新党なでしこ!』の第1話に掲載の内容を、今風に少々アレンジしたものとなります。作中に描かれた「核保有税」については、混雑する登山の入山料や高速道路料金などがそうであるように、懲罰的な負荷により、旺盛だと困る需要を抑制する政策誘導の効果(上記の④)があります。今回のような核軍縮に関しては、財源確保をメインの効果に考えるのはおかしいと、さすがに多くの国民は気づくでしょうから、こうした思考実験をきっかけに、税金の役割や効果への理解や議論が深まればと思っています。
上記は私の知り合いの漫画家にして盟友、人生の大先輩である成田アキラ先生の政経スケベ漫画『チボー星のやつら ヒフーとヨーヨ』からの1ページとなります。最近では、MMTや機能的財政の考えを描いた一枚絵もツイッター上で話題になっていました。積極財政を掲げる日本スケベ党の党員に、私もなりたいです(笑)。
さて、次回の配信日ですが、6週間後となる6月21日(日)を予定しています。その前に、最新となるコミックス第8巻がリリースされるため、それの告知・特集エントリーを6月7日(日)に発表したいと思っています。いつもの「巻末リレーコラム」は、皆さんお馴染みのあのブロガーにお願いしました。どうぞお楽しみに!
それではまた、次回のあとがきでお会いしましょう。