大河の主人公は、荻原重秀か高橋是清で

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積極財政論のニュースが報じられ、財政政策を支持する論者の意見が徐々に拡がりを見せる中、緊縮バカどもも“イラつきMax”に達しているようだ。

『再来年のNHK大河ドラマに「松方正義」を推す理由』(アゴラ 有地 浩 日本決済情報センター顧問 元財務省大臣官房審議官)

「来年(2020年)のNHKの大河ドラマは明智光秀を主人公とした「麒麟が来る」で決まっているが、再来年のテーマは何になるか現時点ではまだ発表がない。(略)

 もし明治以降の時代の物語を取り上げるのであれば、私としては是非とも松方正義を取り上げてほしい。(略) 私が松方を推すのは、彼が我が国の中央銀行(日本銀行)を作った男だからだ。今ほど中央銀行制度が危機に瀕しているときはない。(略) アメリカのトランプ大統領のように、中央銀行の独立性を無視してFRBの政策に露骨に介入しようとする政治家も現れてきている。さらにはMMT理論のように、中央銀行の独立性を否定して、中央銀行は政府の財政資金バラマキのためのツールとしての地位しか与えない議論が支持を広めようとしている。

こういう時だからこそ、今歴史を振り返って、中央銀行がなぜ必要になったか、冷静に考える必要があると思うのだ。(略)」

緊縮バカにとって、「自国通貨建て債務の不履行はあり得ない」「極度なインフレにさえ注意すれば、財政赤字には問題がない」、「財政政策の財源は通貨発行とそれに見合うだけの生産力であり、税金ではない」という“経済の常識”が人目に触れるのが我慢ならぬほどイラつくようで、ついに、大河ドラマのテーマにまで嘴を差し挟んできた。

有地氏おススメの松方正義と言えば、西南戦争後も富国を目指して積極財政策を採った大隈重信に対抗し、不換紙幣の回収・焼却や日本銀行の設立、金銀本位制導入、政商への官営模範工場払い下げ、煙草税や酒造税などの増徴、政府予算の縮小などといった緊縮策を断行し、「松方デフレ」と揶揄される大不況を招いたいわくつきの緊縮バカである。

喩えるなら、新井白石や松平定信、水野忠邦、浜口雄幸らのごとく、実利よりも安っぽい理念を、国民よりも自らの思い込みを優先させ、中二病っぽいヒロイズムに酔うだけの、頭でっかちで融通の利かぬゴキブリでしかない。

松方が惹き起こした明治初のデフレ不況は、

「松方財政によるデフレーション政策は、繭の価格や米の価格などの農産物価格の下落を招き、農村の窮乏を招いた。このデフレーション政策に耐えうる体力を持たない窮乏した農民は、農地を売却し、都市に流入し、資本家の下の労働者となったり、自作農から小作農へと転落したりした。一方で、農地の売却が相次いだことで、広範な土地が地主や高利貸しへと集積されていった。

一部の農民は、経済的困窮から、蜂起活動に走り、各地では自由党による激化事件に参加して反政府的な暴動を引き起こすようになった(当時、農村は自由党の支持基盤であった)。

また、官営工場の払い下げにより政商が財閥へと成長していったことと相まって、資本家層と労働者層の分離という資本主義経済の下地を作ることとなった(Wikipediaより)」

とされ、食糧生産力の低下、農村の窮乏、都市と地方との人口バランス崩壊、貧富の格差拡大、治安の悪化という不況と社会不安をもたらした大罪人と言える。

有地氏は、不況の権化たる人物を大河ドラマの主人公に据え、一年中垂れ流すよう求めているが、増税強化と歳出縮小で国民から財や所得を奪い、財閥や特定企業との癒着により国有財産を恣意的に放出した落第政治家の生涯なんて、辛気臭くてとても見る気になれまい。

近代国家の道を歩み始めた明治初期に国家としての基盤も危うかった我が国で、食と雇用を縁の下からしっかり支えたのは、何と言っても農村(庶民)地域であり、そうした社会基盤をこともなげに足蹴にし、庶民の生活を疲弊させた元凶こそ、松方の経済失政である。

彼の惹き起こした不況と、それに端を発する数え切れぬほどの不幸の積層を思えば、その失政を正当化し、神格化するなど以てのほかだ。

松方正義の経済音痴ぶりは、世界恐慌の最中にもかかわらず、金本位制復活と緊縮政策の断行により、当時の日本を昭和恐慌のどん底に叩き込んだ浜口雄幸と井上準之助のバカコンビにも比肩する。

我が国の国民が、平成不況からいまだ脱しきれず、度重なる増税や社会保険料負担増に耐えかね、生活困窮に苦しむ中で、明治や昭和初期に経済失政を恣意的に断行し、国民に塗炭の苦しみを味わわせた大罪人を大河ドラマの主人公に推すなんて、あまりにも常識がないというか、その無神経ぶりに強い憤りを覚える。

日本に蔓延しがちな緊縮礼賛主義や我慢美徳思考を打ち破り、周囲からの白眼視や批判をものともせず、真の経済常識を一途に説き実行してきた人物や偉人こそ、大河ドラマの主人公に相応しい。

所得や資産の絶対量不足から、いまの日本人は生活力の向上や将来の展望に対する自信をすっかり失ってしまった。

肩を窄めて下を向く日本人たちに、成長マインドや幸福を追求する欲求を再び植え付けるためには、大不況→大好況という経済的大転換を成しえた努力家や信念の人の生きざまを、ぜひ映像化してもらいたいものだ。

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黄昏のタロ

お邪魔いたしますです。

>(略)政府予算の縮小などといった緊縮策を断行し、「松方デフレ」と揶揄される大不況を招いたいわくつきの緊縮バカである。

 松方正義を大河に猛烈にプッシュです。是非とも放送して頂きたいです。
 さりげなく、緊縮財政が何をもたらすかを織り込むのです。露骨だと更に面白いかな。最高の反面教師となると思うのです。(進撃の何方かが脚本を書いたらどーなるかなーって考えてしまいました)

>こういう時だからこそ、今歴史を振り返って、中央銀行がなぜ必要になったか、冷静に考える必要があると思うのだ。(略)」

 正統派の大河ドラマだとしても、経済に目を向けさせると再考することになるでしょう。
 MMTに追い風が吹くのではと思うのです。なぜなら、偉人が成し遂げた偉業を美談にすれば、現代の経済や政策に疑問を持つはずだからです。

当ブログは2019年5月に移転しました。旧進撃の庶民