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反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2019年11月7日(令和元年11月7日)
ビル・ミッチェル教授の現代貨幣理論を聞く!
2019年11月5日に、有給休暇を取得して、ビル・ミッチェル教授の現代貨幣理論の講演を聞くことができました。
以下に概要と撮影した写真を掲載したいと思います。
日時: 11月5日(火) 午後1時開場、午後2時開演(~5時30分)
場所:衆議院第一議員会館・多目的ホール(東京都千代田区永田町2-2-1)
テーマ:「MMTから考える日本経済の処方箋」
講師:ビル・ミッチェル(ニューカッスル大学教授)青木泰樹(京都大学レジリエンス実践ユニット特任教授)柴山桂太(京都大学大学院准教授)藤井聡(京都大学大学院教授、前内閣官房参与)
聴衆の入りは平日なのにも関わらず、400人以上はいたので、大盛況と言い切っていいと思います。
14時~15時までがビル・ミッチェル教授『MMTから考える現代日本の政策実践の試み』
15時5分~15時40分まで藤井聡先生の『MTによる令和「新」経済論』の宣伝
15時50分~16時20分まで青木泰樹先生の『MMTと信用創造過程』
16時30分~17時くらいまで柴山桂太先生の『MMTは新自由主義を超えうるか』
上記のようなスケジュールで講演がございました。
※多少の時間のずれはご愛敬ということで。
ミッチェル教授、消費増税を3度目の誤りと明言する
日本の消費税率引き上げは過去の増税と同様に経済へマイナスの影響を与えると懸念を示した。
参考記事:消費増税、3度目の誤り=MMT理論のミッチェル教授が都内で講演
ミッチェル教授はMMTに関し「理論というよりもマクロ経済を理解するためのレンズのような枠組み」と表現。
ある国が主体的に通貨を発行している場合、完全雇用の状態にないのであれば、財政支出に制約はなく、日本のように完全雇用を達成している場合は、人手不足や急激な物価上昇など実体経済面での需給逼迫が生じるまで財政支出が可能と説明した。
このため日本の消費増税に対しては否定的で「1997年と2014年の増税で成長率を殺してしまう過ちを犯したが、今回も同じだ」と表現。
「過去2回の失敗に多少学び、軽減税率などの緩和措置を講じているが、経済にネガティブな影響が必ず出るだろう」と指摘した。
ビル・ミッチェル教授のお話で、やはり2019年10月に引き上げられた消費増税に言及され、過ちが繰り返されてしまったというお話がございました。
上記の記事の通りで、ネガティブな影響が必ず出るだろうと主張していらっしゃいました。
私も完全に同意見であり、すでに自動車販売に凄まじい悪影響が出ております。
日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が1日発表した10月の新車販売台数(軽自動車含む)は、前年同月比24.9%減の31万4784台だった。
参考記事: 10月の軽含む新車販売、前年比24.9%減 台風などの影響で
台風19号の影響で全国的に浸水被害が出るなど災害により客足が鈍ったほか、昨年10月の販売が伸びていた反動が出た。
消費税率が8%から10%に引き上げられ、2%引き上げなのに、10月の新車販売台数(軽自動車は含む)は前年同月比約25%の落ち込みを見せました。
自動車業界はこれから阿鼻叫喚の地獄絵図に突入することになると思われます。
自動車業界の経営者は消費増税に賛成している人間が多いと聞き及んでおりますが、息しているのでしょうか。
それとも輸出に伴う消費税の還付で経営者層だけは懐が温かくなるのでしょうか。
どう考えても消費増税の影響であり、台風の影響は軽微だったと言えます。
まさか毎日台風で外出できず、自動車を購入する機会が奪われたということはありますまい。
ミッチェル教授は主流派経済学を批判する
主流のマクロ経済学者は、1980年代と1990年代に非常に独善的になりました。
参考:ビル・ミッチェル教授のスライドより
彼らは現実に気づかず、標準的な「モデル」が「お金は重要ではない」と見なされる政策分析であることにも気づきませんでした。
※上記の日本語訳に問題がございましたら、ご指摘願います。
ミッチェル教授は主流派経済学をかなり辛辣に批判していました。
現実というものを理解しようとしない姿勢に憤りを感じているようでした。
長い間、MMTの理論構築を目指し、ケインズやクナップのような巨人の肩に乗り、主流派経済学からのパラダイムシフトを引き起こそうと苦心している経済学の教授として、激動の研究人生を歩まれたのではないかと推察します。
日本は財政赤字が膨れ上がっても、インフレでもなく、国債の利子率もマイナスとなっていることをグラフを用いて説明した後に、これらの事象は主流派経済学では説明できないため、主流派経済学は偽学問(Fake Knowledge)であると主張していました。
※おそらくFake Newsのような学問という意味合いで、偽学問( Fake Knowledge)とお話されていたのだと思います。
総括:オーストラリア人経済学者に好感を持つ
オーストラリア人で、労働者階級出身の経済学者ということで、かなりフランクにお話される陽気なオーストラリア人という先入観を持っておりましたが、どちらかというと静かに思索を深めるタイプの学者のように感じました。
さらに、質疑応答の中で、我が国日本において、具体的にどのような政策を実行するべきなのかという質問がミッチェル教授に寄せられました。
その際に「私はオーストラリア人であり、日本人ではないため、具体的な政策について言及する立場にはありません」という回答がございました。
誠実さと慎み深さをお持ちのようで感動しました。
また、ベーシックインカムは貧困対策として効果的だが、雇用保証プログラムの方が優れているというお話もございました。
おそらく、人間はパンのみに生きるにあらずという意味合いなのだと思います。
ミッチェル教授のマクロ経済学の本が日本語訳されることを切に願い、キーボードタッチを終えたいと思います。
歴史の転換点に立ち会えたこと、大変嬉しく思います。
かなり短文ですが、参加報告は以上とさせていただきます。
>>私はオーストラリア人であり、日本人ではないため、具体的な政策について言及する立場にはありません
自分はこれはを「慎み」とは受け取りませんね。
「おめーらが考えるんだよ!ヴァーカ」と言われたと受け取ります。ww