オランダ:元ムスリムのアヤーン・ヒルシ・アリ氏「イスラム教徒と妥協はない。妥協は民主主義内だけ」

この記事は約12分で読めます。

非ムスリムに対して、「イスラム教徒を理解しろ、イスラムの教えを実行させろ」と要求ばかりするムスリムですが、ムスリム自身が変わるべき、こう主張する元ムスリムの活動家がいます。

イスラムを本当に「平和の宗教」にしたいなら

大部分のイスラム教徒は、5つの見解を変えるべきです。

この発言は、ムスリムとしてソマリアで生まれ、オランダの政治家にもなった女性のものです。

 

元イスラム教徒ですが疑問を持ち政治活動をしているアメリカ在住のアヤーン・ヒルシ・アリ氏の講演内容をハンガリーのメディアが報道しているので内容を紹介したいと思います。

その前に、彼女の経歴をWikipediaから簡単に紹介します。

アヤーン・ヒルシ・アリ(Ayaan Hirsi Ali)、出生名:Ayaan Hirsi Magan

1969年11月3日 ソマリア・モガディシュ生まれのオランダの元下院議員

 

ソマリア→サウジアラビア→エチオピア→ケニアと移り住んだ、元イスラム教徒の無神論者

イスラム世界における女性の扱いの低さを訴え、抑圧からの解放を説いています。ごく部分的に美点を認めるものの、イスラム教自体やその開祖ムハンマドにも否定的です。2004年に監督が殺害された映画『サブミッション』の脚本を書いており、彼女も監督と同様に命を奪われる危険にさらされています

イスラム教の改革において必要な要素として次の5項目を挙げています。

1 クルアーンの逐語的解釈の停止
2 シャリーアの停止 
3 来世を現世より重視する世界観からの決別
4 精神的指導者のファトワー宣布の権限廃止
5 聖戦思想の破棄

 

ダイヤグリーン

 

3月、ハンガリーのブタペストで開かれた「移民会議」でアヤーン・ヒルシ・アリ氏が語った内容を4つの記事から抜粋して紹介します。

 

 

アヤーン・ヒルシ・アリ氏の父はソマリアの革命家で刑務所に入っていましたが脱獄して家族で国を脱出しました。最終的にはケニアに落ち着き中流階級の暮らしをしていました。しかし家族による強制結婚を嫌い彼女はヨーロッパ(最初はドイツ)に逃げます。難民申請をして工場で働いたり大学で政治学を学んだりしてやがて政治家になります。そしてその頃から急速にイスラムから遠のいていきました。

 

私は生まれてから15歳までムスリム以外の何者でもありませんでした。ムスリムではない人を知りませんでした。学校や店に行けば非ムスリムがいましたが気になることもありませんでした。

母はいつもこう言っていました。「もし非ムスリムのケニア人が悪いことをしたら、その理由はその人がムスリムではないからです。」

 

15歳の時に見知らぬ人達がやってきて、私たちのイスラム教徒としての実践は悪いと言い、正しい方法を教えると言いました。私は彼らの集団に合流し、20歳頃ムスリムブラザーフッド(イスラム同胞団)のメンバーになりました

 

実際的な質問に彼ら(ムスリム同胞団)はコーランを解読して答えてくれましたが、20世紀後半の時代に合うような答えは無く、矛盾と不一致に失望していきました。22歳にオランダに行きましたが、まだイスラム教徒のままでした。

 

何があなたを変えたか?

今まで想像できなかった社会を知りました。一番の衝撃は男女平等です。

私は自由について学びました。欧州と北米社会の価値観を学びました。

西洋文明社会の本質は自由の正しい認識です。

政府の仕事は私たちの自由を守ることであり、奪うことではありません。

この法の力という概念は西側社会にしかない文化です。

自由と力と法の下の平等は私にとって新しく素晴らしいものでした。

イスラム法ではあなた(インタビュアーの男性)の証言は私の2倍の価値になるのです。

 

今日この素晴らしい価値観が西洋で死んでいることを見るのは悲しいことです。

 

西洋社会はイスラム教徒の反ユダヤ主義にとても開放的です。

私がオランダに住んでいた時に、かつては無かったような反ユダヤ主義を見ました。進歩的なオランダ人と移民の背景を持つ人たちによるものでした。

オランダの通りで「ハマス!ハマス!ユダヤ人をガス室へ!」と叫ぶ集団が人々を怖がらせることは事実です。

もう一つの西洋での矛盾点はフェミニズムです。

彼女たちに移民女性のことを話しました。オランダ語が話せず、お金が無く、どこにも行けず、親が決めた相手と結婚して、支配されながら家に籠っていると。

しかし、フェミニストたちは移民女性のために戦うことは自分たちの仕事ではないと言いました。

ダブルスタンダードだと思いました。

 

不快に思う人がいるかもしれませんが、宗教は人間が作りました

人間が作ったものならそれを変えることが出来ます。

イスラムが本当に平和の宗教でいたいなら、多数派ムスリムが変わらなくてはいけません。

 

変わらなくてはいけない問題は次の5つです。

 

1 コーランとムハンマドに対する姿勢です。現時点では、コーランやムハンマドに何かを問うのではなく、コーランやムハンマドの述べたことは、例えや比較として捉えることです。

 

2 死後の世界を現実の世界より重要だと考えることです。だから命が軽く簡単に殺します。

ハマスのスローガン「我々はあなたが人生を生きる以上に死を愛する」にもみられます。

イスラムの哲学的な本質を見るならば、それは「死のカルト」です。

 

3 イスラム法シャリアを変える必要があります

シャリアは人権侵害のシリーズであり、内面外面への攻撃です。イスラム国の活動がその一面を見せてくれましたが、それは氷山の一角です。

 

4 イスラムは期待です。特に男性に対して善を奨励して悪を禁じます。穏健派ムスリムが過激派ムスリムを警察に通報しないのはこの善悪の概念です。

 

5 ジハード

 

イスラムが平和の宗教になるにはこれら5つすべてが変わらなければなりません。

右上矢印https://mandiner.hu/cikk/20190324_ayaan_hirsi_ali_interju

 

 

大量移民に加えて、(人種、民族などの)統合は不可能です。

欧州の政治家たちは、自分たちが何と対峙しているのか理解できていません

 

先の選挙でFvDが大躍進した(後述しました)ことに驚いているか?

驚きません。FvDもPVVも移民を完全に拒否しているのではなく、オランダの価値観とは相容れないイスラムの要素のみを拒否しているのです。

 

オランダでは暴力ではなく話し合いを用います。

今のヨーロッパの人たちはTVなどでしか暴力を目にしません。

妥協点を見出すには協議をして決めることが必要であるという価値観を私は支持します。しかし、妥協をすること、これは共通のベースがある時だけ可能なのです。

キリスト教民主党とリベラルの間には妥協(歩み寄り、譲歩)が可能です。

しかし、ヨーロッパのリベラル民主主義とイスラムの間にはそのような妥協がありません。相手を打ち負かさなくてはいけないのです。

ヨーロッパではいまだに、よい結果を求めるために譲歩すると信じています。

しかしこれは間違いなのです。

イスラム教徒はその譲歩を善意ではなく、弱さとみなすのです。

ヨーロッパの文明を守りたい人はこの違いを理解しなくてはいけません。

 

ヨーロッパイスラムを創設しようとする政治家のアイデアをどう思うか?

それは不可能です。ヨーロッパイスラムはありません

むしろ、ヨーロッパのムスリムは自由と民主主義を取り入れ、自分の宗教のお勤めは自宅で行うよう言われるべきなのです。

 

イスラムは宗教だけにとどまっていません。イスラムは哲学でもあり政治思想ですので、イスラムの統治はヨーロッパの一部にはなることは出来ません。政治エリートと違い人々はそれを知っていて、それが選挙結果に出たのです。

 

失敗した統合をどう思うか?

統合は成功させることが出来ます。

イスラム圏からの移民がヨーロッパ、ヨーロッパの教育に統合され、ヨーロッパの一般規範を受けいれた時がありました。

しかし、大量移民がこれを終了させました

フランスの状況を考えてみて下さい。今欧州では2つの国、スウェーデンとフランスが対処しなくてはいけない状況です。スウェーデンは狂気に駆り立てられています。この苛烈さに直面し自分たちが取り残されていると感じているスウェーデンの女性とユダヤ人と何人かのムスリムをとても気の毒に思います。

右上矢印https://www.magyarhirlap.hu/kulfold/Iszlamistakkal_nem_lehetseges_kompromisszum

 

 

WHOによると、ソマリア人家庭では97%が少女に性器切除を行います。ソマリアでは100%です。

結婚相手は親が決めますが、私にはそれが22歳の時でした。親戚の少女たちは13歳とか14歳で結婚しました。小さいときに結婚するので学校生活が長くないのです。

 

イスラム急進派は宗教の掟で厳しく締め付け、それが女性の人生に影響を与えます。

神の名において女性の権利に不利益なことを当然とすることに私が反対すると父は、「神のご意志だ」と言いました。FGM(女性器切除)の時にも父は同じように言いました。

 

重要なことは、21世紀において、7世紀に生きた男の命令に導かれることはないということです。宗教指導者たちはこれを考慮しなくてはいけません。

 

ほとんどのムスリムはイスラム教の改革に耳を傾けたくありません。そのような罪を犯したくないのです。彼らは神や預言者ムハンマドについて疑問に思うことを最も大きな罪だと考えています。

ISやアルカイダはそのままのイスラムを主張して、改革派は変わるべきだと主張しますが影響力がありません。

宗教は歴史的観点から提起されるべきで、新しいルールが制定されるべきです。

 

サウジアラビア、カタールなどの国々はヨーロッパに宗教学校、モスク、訓練所を建てていて、それを我々は許しています。移民に彼らへの教化をさせ支配をさせていますが、単純にそういったことは許してはいけないのです。

イスラム化政策は真の脅威ですイスラムは改革が必要です

右上矢印https://hirtv.hu/hirtvkulfold/ayaan-hirsi-ali-az-iszlamizacio-valos-jelenseg-europaban-2478897?utm_source=feed&utm_medium=rss

 

 

ムスリムは何でも文字通りにコーランやムハンマドの教えに従って行動することを変えなくてはいけません

死後より現在の生活に価値を見出さなくてはいけません。

シャリアとジハードの概念を変えなくてはいけません。

過激派について警察に通報しないことが当たり前だということを変えなくてはいけません。

 

歩み寄り(妥協、和解)というものは民主主義の中の様々なグループ間において見ることが可能です。

イスラム教徒相手に歩み寄り(妥協。和解)に辿り着くことは不可能です。

右上矢印Ayaan Hisri Ali: “No compromise with islamists” By HUNGARY JOURNAL     31 March 2019

 

 

 オランダの選挙について

3月20日にオランダ州議会選挙が行われ、保守でEU反対さらに大量移民阻止派であるフォーラム・フォー・デモクラシー(FvD)党が13議席を獲得、ルッテ首相の自由民主党(VVD)を抑えトップとなりました。(州議会選挙の結果が5月に行われる上院選挙に連動するため重要)

オランダでこれまで極右として知られていたウィルダース氏の自由党(PVV)が議席を減らしましたが、PVVFvD反イスラム、反EUなど政策が似ていて、支持層がPVVは移民を嫌う地方や高齢者、労働者階級が多く、FvDは都市部の若者、高学歴者が多いのが特徴です。

強いて言えば、反イスラムに的を絞ったPVVと、それに加えて既得権益に胡坐をかいたエリートたちにも反発していることでより広いターゲットを持つのがFvDという感じでしょうか。

 

FvDの党首のティエリー・ボーデット(Thierry Baudet)のエスタブリッシュメント(既存体制)による「カルテル政治」に反抗する姿勢が、若者らを中心に急速に支持を広げているということなので、似た政策のPVVFvDで人口を広くカバーできているようです。

 

https://www.portfolio.nl/news/buz/show/2616

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29755980U8A420C1I00000/

 

題名についての記事はここまでです。

ここから先は日本の出来事を見ながらの付け足しですので、飛ばしてもらっても結構です。

 

ダイヤグリーン

 

イスラム教は平和の宗教、ムスリム(特有の勝手なきまり)に日本人が無理解など、多様性の名の下、そのままのイスラムを受けいれることが正しいというメディアの風潮は残念です。

 

愛知県豊田市のとある国際ボランティアグループの様子を財形新聞が紹介していました。

ある日、こんなことがあった。あるイスラム系の人がボランティアに自らの文化が日本の文化になじまないことを相談した。そのボランティアは「ここは日本だから」と答えた。イスラム系の外国人は黙ったまま、不満を噛み殺しているかのようだった。

こんな集まりには私なんか絶対に近づきませんからそこでボランティアをするだけ移民にやさしいわけです。その人にさえ、ムスリムへの対応がそっけないと言いたいのでしょうか?

「ここは日本だから」で正解です。嫌なら来なければいいのです。日本人がサウジアラビアに行ってどうも文化が合わないと相談しても「ここはサウジアラビアだから」と言われるでしょう。

支配するか支配されるか、という価値観しか知らない人に善意は通用しません。

私たちの善意や親切は譲歩としか理解されません。

 

日本のメディアはほぼ無視していますが、フィンランドの総選挙でも反移民・反EUが大躍進しています。突然そうなったのではないのです。原因となったこれまでの経緯をメディアが隠すので今私たちがどうすべきかが見えてこないのです。

拙ブログでも紹介しましたが、フィンランドは難民らによるレイプ事件多発で論争が巻き起こっていました。

最近神奈川県で、警官にパイプ椅子を投げつけるブラジル人や、交番を襲撃するタンザニア人という、いわば「ジャングルの掟」で暮らす移民が日本の文化に馴染まず狼藉を働いた事件が報じられました。フィンランドの大統領も警察への襲撃を問題視する発言をしており、大統領の年頭挨拶も難民条約が悪用され移民が欧州の価値観を壊していると述べています。

 

日本も、欧米の大失敗を最初から真似するという律儀なことをせず彼らの経験と知見が積みあがった今を見て、参考にすべきなのです。

 

政府もメディアも、これまでもこれからも自分たちに都合の良いことだけを伝えます。

日本人は依存心が強いためいつも思考停止、そのうえ同調圧力に弱いので、メディアさえ政財界が牛耳ればなんとでもなると考えられていますし、現状を見る限りその通りです。

 

日本に来る外国人は弱者ではありません。私たちは彼らに何の責任も義務もありません。

日本人の多くは金持ちではありません。これからも貧乏になる一方の運命です。

「みんな仲良く!」は上級国民以外を一緒くたにして見捨てる方便です。

誰も日本人のあなたのためには考えませんしアドバイスもしません。

あなたに興味があるとすれば、選挙の票と、搾取対象としてだけです。

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Sat
4 years ago

日本のヨーロッパに関する報道は何故にやたらEU旗がバックで振られるのだろうか?英国なんかもっとEU懐疑派が沢山いそうなものだけど、妙に目立たない。

当ブログは2019年5月に移転しました。旧進撃の庶民
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