「移民政策はとらない」としつつ外国人受入れを拡大し続ける、という最悪の移民政策

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移民拡大詳細推移グラフ2017

 今回は、ちょっと短めに記事紹介だけ・・・

 ハフィントンポストで現在の日本政府が推進する移民政策に関する非常に重要かつ興味深い記事が掲載されていたので紹介します。この記事は、記事の筆者は、移民政策に関して消極的賛成、もしくは容認といったスタンスですが現在の安倍政権が推進している移民政策に関しては将来に確実な禍根を残すことになる最悪の愚策として批判しており、移民政策に関して賛成の方も反対の方も是非読んで欲しい内容となっています。

『「移民政策はとらない」としつつ外国人受入れを拡大し続ける、という最悪の移民政策』

前回のブログでは、オリンピック開催中に日本政府が発表した難民保護に関する重要事項について解説しました。今回は、同時期に発表された移民受け入れ政策に関する大きな問題点について解説してみたいと思います。

なお、「移民」の定義については既に過去のブログで何度も説明していますので、ここでは繰り返しません。重要なのは小手先の定義論ではなく、日本が少なくとも1990年の入管法改正以来、既に130万人を超える実質的移民を受け入れてきていて、安倍政権はそれをさらに拡張している、という動かぬ事実です。

また最初に断っておきますが、移民を受け入れるべきだ、というイデオロギー思想は私にはありません。以前のブログでも述べた通り、どの国家も移民(安倍政権の言うところの「外国人労働者」)を受け入れる義務や道義的責任など一切ありません。移民の方々の助けなしに日本の経済も産業も社会保障制度も十分かつ長期的に回っていく見通しがあるならば、「日本人」だけの島国で結構でしょう。女性の雇用促進も、高齢者の再雇用も、AI活用も、イノベーション改革も、何でもやったら良いと思います。

けれども日本の少子高齢化社会が、そのような代替措置だけでは既に「焼け石に水」状態で、外国人受け入れを拡大し続けざるを得ないのが実態なのでしょう。このブログは、移民受け入れを拡大し続けるのであれば何が問題なのかを主眼として議論します。

 コチラの記事の内容を簡単に箇条書きにしてまとめると・・・

①安倍政権は現在「移民政策は行わない」という主張を繰り返しているが、現在の日本の外国人受け入れ政策は国際的などのような基準から判断しても移民政策そのものであり、「移民政策は行わない」という主張は詭弁そのものであり、すでに日本は積極的に受け入れているという前提で議論を進める必要がある。

②労働力不足を補うために期間限定で受け入れる外国人労働者は、その約束した期間が来ても現実には帰国せずに、定住することは過去のドイツなどの移民政策の失敗をみても明らか。現在の労働力を補うために一時的に外国人を国内に受け入れ、期限が来たら約束通り帰ってもらうなど現実には不可能。

③よって、すでに日本が大量の移民を受け入れている以上、移民受け入れのための様々な必要な措置を講ずる必要があるが、政府が「移民政策は行わない」という間違った情報を発信し続けているために、現在移民受け入れに必要な措置が講じられておらず、このような政府の自己保身のための詭弁は将来的に非常に高くつく

 といったところです。移民政策に関する私自身の考えはここでは述べませんが、おそらくコチラのブログの読者の多くが移民政策に反対してると思うのですが、仮に移民政策に関して、「移民の受け入れに出来る限り制限をかける」ことが最良だとしたら、次善の策は「移民を受け入れるが様々なリスクやコストを考慮し可能な限り必要な措置を講ずる」ことであり、最悪なのがこの記事の筆者が説明しているように現在の安倍政権が推し進める「「移民政策はとらない」としつつ外国人受入れを拡大し続ける」事ということになります。

私は、EU諸国の実務家が集まる専門家会合に唯一の研究者代表としてご招待頂いたことがあるのですが、その会合で出会ったドイツ移民難民庁(BAMF)の幹部の方が、「もっと早くからしっかりした社会統合政策をやっておけばこんなことにならなかったのに・・・」とボヤいていました。同様にドイツ国内で難民支援に携わっている元同僚も、「ガストアルバイターの時もユーゴ難民の時も、最初から語学教育とかオリエンテーションをちゃんとしておくべきだったのよ!」と嘆いていました。

今西欧諸国で大きな問題となっている社会の分断、階層化、社会保障制度の圧迫、移民地域の「ゲットー」化、更には「ホーム・グロウン・テロリスト」の出現まで、それら全ての元凶は、「移民受け入れではない」と誤魔化し、社会統合政策を怠りながら大量の外国人受け入れを戦後50年近く続けてきた政策、そのものです。そして、近年の安倍政権の外国人受け入れ政策は、その西欧諸国が冒してきた深刻な過ちの轍の上をそのまま準えています。

日本への移民受け入れ反対派の方々がよく「今のヨーロッパを見ろ!あんなことに日本がなっても良いのか?!」と声高に訴えられます。その方々こそ、安倍政権に対して「もっと国としてしっかりした社会統合政策を実施しろ!」と要求すべきなのに、「移民政策はとらない」という詭弁に簡単に騙されてしまっているのでしょうか? 何とも不思議でなりません。

 この記事では続けて、現在の日本の短期間の外国人労働者の受け入れ政策では条件が厳しく真に望まれるような優秀な人材は獲得できないこと、また、移民政策を進める上で国家的政策として極めて重要であるはずの、社会統合政策の欠陥をボランティアによって埋め合わせようとしている政府の愚策についても厳しく批判しています。

 極めて高度な専門知識を必要とする、重要な国家プロジェクトを担う人材をボランティアとして募集しているのですから、もはや笑うしかありません。

 以前、一部界隈で大流行した嫌韓本の煽り文句じゃないですが、まさに

知れば知るほど嫌いになる!!それが安倍政権だ ビシッ(`・ω・́)m9

とでも言いたくなります・・・( ̄▽ ̄;)

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